地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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2017年 07月 01日 ( 1 )

 やや後ろにのけぞっているように建っている大型の長方形の板碑について、次のような図解入りで解説されている。
a0087378_5272289.jpg 説明では、梵字の部分については、「一字金輪仏の種子『ボローン』」と表現される。
 知識が無いので確認する。
 「一字金輪」は、密教で、大日如来が最高の境地に入って説いた真言である (梵bhrūṃで、勃嚕唵(ぼろん)と音写)の一字を人格化した仏頂尊。像は結跏趺坐(けっかふざ)して手に印を結ぶ姿に表される(小学館デジタル大辞泉)とのこと。

 その下に刻まれるのは、「弘法大師作の偈頌(げしょう)」とのことだ。
 読み下すと、以下のようだ。

 五大に皆響きあり
 十界に言語を具す
 六塵悉く文字なり
 法身は是れ実相なり

 読み下しても分かった気分にもなれないので、キーワードを確認する。

 五大=宇宙(あらゆる世界)を構成しているとする地・水・火・風・空の五つの要素のこと。
 十界=天台宗の教義において人間の心の全ての境地を十種に分類したもの。六道(下から地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天上)に声聞、縁覚、菩薩、仏を付加したもの。
 六塵=(仏教)人間に煩悩を起こさせる六つのもの;色・声・香・味・触・法で、眼耳鼻舌身意の感覚器官でとらえることのできる知覚対象。
 法身=真理そのものとしてのブッダの本体、色も形もない真実そのものの体をいう。真理(法)の身体、真理(法)を身体としているものの意味。
 実相=すべてのもののありのままのすがたをいうのである。無相こそ萬有のありのままの姿。法性、真如、如実。

 こんな風に捉えるとのことだ。
 地・水・火・風・空の五大からなる森羅万象には、皆、真理を語る響きがあり、地獄・飢餓・修羅・人・天・声聞・緑覚・菩薩・仏の十界すべてに真理を語る言語がある。
 色・声・香・味・触・法の六塵、すなわち私たちの感覚によって把握される認識の対象は悉く真理を語る文字であり、究極のホトケたる大日如来とは、この世界のあるがままの姿に他ならない。

 これ等を、以下の言葉で挟んでいるが、これは天台宗と真言宗で用いられる回向文ということのようだ。

 願以此功徳 普及於一切
 我等與衆生 皆共成佛道

 読み下すと、以下のようだ。
 
 願わくは、この功徳を以(も)って 普(あまね)く一切に及ぼし 我等と衆生(しゅじょう)と 皆共(みなとも)に仏道を成(じょう)ぜんことを

 その下に「慈父蓮仏」が刻まれるとのことで、この板碑は、父の逆修供養塔ということのようだ。
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by shingen1948 | 2017-07-01 09:26 | ★ 季節便り | Comments(0)