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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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「坂の上の雲」⑤~子規と福島

 明治26年7月24日、まだ元気な正岡子規が、満福寺を辞して、二本松から汽車で福島にやってくる。「坂の上の雲」の場面とのかかわりでいうと、大学を辞めて、日本新聞社に入社を頼んで、家族を呼び寄せるのが前年末だ。12月1日には、日本新聞社に仮入社している。
 翌年(明治27年)2月には、子規庵に移り、8月には日清戦争が勃発する。従軍記者になるのは、翌々年(明治28年)3月だから、まだ血気盛んな子規だ。

 滞在場所は某宿とのことでよく分からないが、主人は俳句をたしなむ方だったらしい。

 読み取りに間違いがなければ、夕涼みであろうか信夫山にやってくる。
 青田の畦道づたいに、信夫山をめざす。
 宿から北をめざして歩いてきた曾根田町あたりの風景だろうか。

 青田ありて又家居ありまちはずれ
 笛の音の涼しう更くる野道かな
「坂の上の雲」⑤~子規と福島_a0087378_4303514.jpg
 公園にたどり着いて見えた景色は、監獄署と公園が相並んで見えているようだ。
 地獄と極楽の掛け軸を並べて懸けたような風景は、方向的にはこのポジションだろうか。


「坂の上の雲」⑤~子規と福島_a0087378_43725100.jpg
 そこから信夫山公園に登って、満月近い月齢12の月の光に福島の町を眺めている。

 公園に旅人ひとり涼みけり
 見下ろせば月に涼しや四千軒


「坂の上の雲」⑤~子規と福島_a0087378_4391564.jpg
 酒を飲んで言い争う声が聞こえてきたのは、こちらの方向だろうか。
 景色を眺める様子もない人達だったので、月の光は自分にだけ降り注いできたようだ。
 子規は、信夫山からの夜景を一人じめしている。
by shingen1948 | 2010-01-12 05:04 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)