地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン

視聴記録 : 無声映画「雄呂血」「チャップリンの放浪者」「血煙高田の馬場」

<今日は寒かったが、天候は安定していた。>
 年末のドラマ視聴を整理したついでに、年末の無声映画視聴も整理しておく。
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 12月14日(月)午後1時30分から福島県文化センターで行われた「ふくしま文化元気ルネサンス 映画の原点『無声映画』公演」に出かけた。


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 無声映画のシーンに活動弁士と楽団の生演奏がつけられる明治末から昭和初期にかけての映画の再現だ。
 活動弁士は澤登翠さん、楽団は、カラード・モノトーン。

 公演作品は、「血煙高田の馬場」「チャップリンの放浪者」「雄呂血」の3本で、メインは、「雄呂血」。この時代の映画の原点を知るというよりは、本当に楽しめるものなのかを確かめたかった。

 「血煙高田の馬場」は、本当は長い作品らしいが、現在残されているのはこの6分のみとのこと。
 1928年(昭和3年)作品・監督/伊藤大輔  撮影/唐澤弘光  
 主演/大河内傳次郎、実川延一郎、市川春衛。

 次が、「チャップリンの放浪者」The Vagabondで、22分の作品。
 1916年(大正5年)アメリカ作品  監督&主演/チャールズ・チャップリン
 共演/エドナ・パーヴィアンス、レオ・ホワイト

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 そして、メインの75分物の「雄呂血」。
 1925年(大正15年)作品。
 原作、脚本/寿々喜多呂九平  監督/二川文太郎
 主演/阪東妻三郎、森 静子、環 歌子
 大正14年7月、阪妻の独立第二作目作品で、見応えは、チャンバラシーンで、剣戟映画の原点と言われているという解説があって上映された。

 内容は、本当は善人であるのに人々からは「ならずもの」と恐れられている平三郎と、大悪人でありながら人々からは義侠に富んだ親分と敬愛される治郎三という世の中の矛盾をついている。
 クライマックスは、ある夜、治郎三は病に疲れた夫婦者を救けてその病夫から美しい妻を奪おうとした。その女こそは平三郎にとって忘れる事の出来ない初恋の人奈美江であった。平三郎は奈美江夫婦を救うべく、遂に憤怒の刃をはらってしまうというシーン。
 そこに進むまでに、誤解がどんどん積み重なっていくという展開だ。

 初めが、家老の伜真八郎が権勢をかさに傍若無人の振る舞いで、塾生平三郎と口論の末喧嘩となるが、門弟は権勢のある真八郎に味方して、平三郎を悪者に仕立てる。それを恩師も、ひそかに思いを寄せるその一人娘美江も真に受ける。
 次が、侍たちが、その先生と娘の悪い噂をしているのを聞いて、かっとなって手を上げるが、これも誤解を受けて破門にさせられるし、奈美江には絶交されてしまう。
 更に、平三郎は惨めな流浪の旅に出ることになるが、ここからも誤解は積み重なる。
 料理屋の二階から突然無礼を受けて抗議したら、強請と思った女将が金を出す。その積りのない彼は、激しく抗議する。それがかえってあだになり、駆け付けた捕手に捕えられてしまう。

 二ヶ月の入牢後に娑婆に出た平三郎は、牢屋で知り合いになった二十日鼠の幸吉に呼び止められる。
 そしてそのまた更に、些細な事から客と幸吉が喧嘩になったのを仲裁したのに、捕手に誤解され捕えられてしまう。
 そしてそのまた更に、幸吉が平三郎を悪事に引き込むために、平三郎が好意を寄せるお千代を誘拐して、平三郎に差し出すということが起きる。彼は泣いて懇願する彼女を犯すことは出来る筈もないのだが、これもまた、駆け付けた捕手に捕えられてしまう。
 そしてそのまた更に、……というふうに、物語は展開する。

 牢を破って逃れた平三郎は、お千代会いたさに吉野川に訪ねて来るが、彼女は人妻となっている。 その追手に追われている平三郎を救うのは、侠客赤城治郎三だ。しかし、本当は彼は義侠の仮面を被って奸悪を謀らむ悪人であり、平三郎と対峙する人物設定という話となり、クライマックスに向かう。

 こんなふうに書くと、リフレーンが多すぎるように思えるが、実際に体験してみると、これが動く映像の面白さをつくるための構成であることが分かる。テンポよく活劇が繰り返されるという状況設定で、十分面白さが味わえた。
by shingen1948 | 2010-01-04 05:48 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)