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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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「沈まぬ太陽」視聴記録

沈まぬ太陽
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 福島フォーラムで10時から上映された「沈まぬ太陽」を観た。この作品も自分にとっては映画を見たという実感のある重い作品だった。

 物語は、国民航空という明らかに日本航空をモデルにした企業の話として展開する。
 労組の委員長であった恩地は、労働条件の改善を求めて奔走し勝利する。しかし、このことが元になって、会社の懲罰人事として、海外勤務を命じられる。その後、会社の分断工作もあって、かつての同志がライバルになるなど、どろどろとした人間関係を描く。
 そこに、半官航空会社のモラル、その企業を共同体とした組織のベタベタした付き合いが絡み、更に、陰険な政治家、官僚の欲も絡む。

 メインとなるのは、1985年の世界最大の航空事故の人間模様だ。飛行機事故の無惨な現場、もの言わぬ棺桶が並ぶ会館の映像、遺族への補償に企業の論理が働くことも描く。
 ご遺族の方々にとってはナイーブな内容も含んでいる。

 上映時間3時間30分、途中休憩ありということだが、観終わった時にその長さを感じさせない。ただ、この映画は、骨太の人間ドラマであり、自分の生き方とは何なのかという本質と心通わせることを求めてくる。頭の中では自分の経験と比べていて、観終わってその疲れがどっとくるのが分かる。

 組織の論理と自分の持つ志、理想と現実、その歯車がかみ合わないことは、誰しもある。その中で、自分の志より、組織の論理を優先させたこともなかったとは言い切れない。組織の論理で行動したことを思い出させる場面もある。逆に、組織の中で、己というものを持ち続けたと自負することも思い出す。
 多分、誰しもが、日々にそれなりに迷い、判断しながら生きてきているはず。その自分と、本作の主人公恩地が、己というものを持ち続ける生き方と比べるのはきつい。

 恩地は、会社のために、労働組合で尽力した結果が左遷人事や苛酷な仕打ちにあいながらも,逃げずに真摯に励む。その馬鹿正直で融通が利かない恩地を,渡辺謙がみごとな存在感で迫る。
 憧れる生き方であり、彼のようにありたいとは思う。しかし、現実の世界では、なあなあで生きてきた人が、組織の中では生かされていたとも思う。

 ラストのナイロビ行きで、ナイロビに沈む夕日を見ている恩地には、その心の中に平穏が訪れたらしい。確かに、自由と命の象徴とするアフリカの燃える夕陽のラストシーンは美しい。
 そうは思うが、その一方で、それでもこれは海外左遷で、そんな簡単に答えが出るものかと思う自分もいる。
「沈まぬ太陽」の映画詳細、映画館情報はこちら >>







 フォーラム作品紹介
 監督 : 若松節朗
 出演 : 渡辺謙/三浦友和/松雪泰子/鈴木京香/石坂浩二/香川照之/木村多江

 「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」「大地の子」など数々のベストセラーを手がける山崎豊子の最高傑作がついにスクリーンに!巨大組織の中で翻弄されながらも、不屈の精神で克服していく恩知元の姿を通して、人間の尊厳、飽くなき闘志と再生を描く壮大なる人間叙事詩。

 エキサイトシネマ作品紹介

 作品のあらすじと解説
 国民的大ベストセラー、待望の映画化

 昭和30年代。巨大企業・国民航空社員の恩地元は、労働組合委員長を務めた結果、会社から10年におよぶ僻地での海外勤務を命じられた。かつて共に闘った同期の行天四郎が組合を抜けてエリートコースを歩みはじめる一方で、恩地は家族との長年にわたる離れ離れの生活で焦燥感と孤独に追いつめられ、本社への復帰を果たすも不遇な日々は続くのだった。そんな中、航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こり…。

 原作は、国民的人気作家・山崎豊子の同名小説。累計700万部を超える大ベストセラーで、かつ、未だ映像化されていない最後の傑作と言われる小説の、待望の映画化だ。日本が高度経済成長を実現し、世界経済の頂点へと上りつめていく時代に、巨大組織の中で翻弄されながらも、強い信念と不屈の精神をもってどんな過酷な状況をも克服していく男の姿を描いた社会派ドラマ。『ホワイトアウト』の若松節朗監督が、9年ぶりとなる大作映画の演出、そして念願でもあった原作の映画化に際し、「全身全霊を込めて取り組んだ」という。主人公・恩地を演じるのは、日本が世界に誇る名優・渡辺謙。世界を舞台に繰り広げられるこの壮大な大河ドラマに刮目だ。

 キャスト&スタッフ
 監  督 : 若松節朗
 原  作 : 山崎豊子
 出  演 : 渡辺謙/三浦友和/松雪泰子/鈴木京香/石坂浩二

 ジャンル : 邦画 ドラマ
 製 作 年 : 2009年
by shingen1948 | 2009-11-03 05:17 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)