地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン

飯坂東線⑤

 飯坂東線は、一般的にはモータリゼーションの流れの中で廃止されたという言われ方をする。しかし、散歩してみて感じるのは少し違う。
a0087378_644134.jpg
 飯坂東線には、地域都市間交通という意味合いが本来の目的としてあった。これは、阿武隈急行とバス運行に変化して受け継いだと見るべきだと思う。
 伊達という地域内の視点だけでみると、JR東北線と阿武隈急行線の電車が重複する地域では、便数が増えている。それと、新たに阿武隈急行で結ばれた地域が生まれたという変化だ。
 阿武隈川を渡るこの線路は、福島と保原地域の地域拠点を結ぶ線と見える。

 「飯坂温泉と結ぶ遊覧」という形式的な目的は、飯坂電車がこれを受け継いでいる。

 一般的に言われているモータリゼーションの流れの中で廃止された部分というのは、気軽な市内移動機関としてのチンチン電車という側面だと思う。この部分は、利用する者にとっては重要視されていたが、町づくりを専門にする方々が重要視していたかどうかは疑問だ。時代に流されてしまったといったら言い過ぎだろうか。

 何年か前、富山のチンチン電車に乗ったことがあった。その時、まだ懐かしい市内電車が走っていると思ったという記憶がある。しかし、この電車は、そうではなかった。新たな交通機関としての新たな試みだったらしい。そのことを知ったのは最近だ。

 福島市内が、人通りもなく閑散とした状態になっていると感じたことがあった。それからみると、今ようやく人通りが戻ったように思える。その要因の一つにこの電車廃止は位置づけられるように思う。
 この他の要因には、自転車の締め出しと、大学や病院の郊外移転に伴う結果としての学生や病人の街中からの締め出しがあったように思う。
 少し改善されたと感じるのは、自転車の締め出しをやめたことと、広場の意図的な設置での動きが効を奏しているのではないかと思うのだ。自転車の客や町をふらつく若者は、整然とした街並みという観点からは、マイナスのイメージでしかなかっただろうと思う。しかし、長い目で見れば、大切な客であり、活力の源だったはずなのだ。
 優遇すべきは自転車であり、歩行者に便利な市内公共交通機関の推進であり、用事もなくたむろする場の設置だと思う。
 そのために締め出しても仕方がないのは自動車だが、その運転者が、歩行者や自転車利用者に変更する便利さの確保されねばならない。車を置いた運転者は、緻密な市内公共交通機関、あるいは自転車の便利さの提供を受けて、そのよさが実感できることだ。
 そういう意味では、福島交通飯坂線のサイクルトレインの試みは、面白いと思う。広場的機能の見直しもいい。まだ自発的にたむろする広場活用ではないが、一時みなぎっていた広場は通路の一部で、立ち止まる所ではないなどという雰囲気からすれば、広場が広場になっている。

 散歩者は、何の権限も持ち合わせていないし行動もしないが、無意味と思える機能を積極的に回復させようとする動きを心の中で応援したい。
by shingen1948 | 2009-07-21 06:14 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)