遺物から田地ケ岡遺跡のイメージを膨らませる
2009年 04月 03日
この遺跡の遺物がどこにあるのかを、案内板では説明していない。
考古学的な遺跡は、ただの丘や藪でしかないことが多い。散策する者にとって、そこに立って見ただけでは、実感が湧かない。
楽しむには、遺跡の場所を訪ねて環境を実感することを積み重ねることも大切だ。似たような近くの遺跡の実感を付け加えることで、実感が深まる。
遺跡の一つ一つの情報が微妙に違い、それを足してイメージするとこで、徐々に実感に厚みが増すのだ。
これに、遺物や再現された展示がここに加われば、実感は更に一気に厚みが増す。
訪ねた遺跡と重ねてイメージすることで、当時の生活が実感できたような錯覚を起こすことができるのだ。
昨年秋に県立博物館に行って、塩沢上原A遺跡の遺物を確かめながら見学している時に、田地ケ岡遺跡の遺物も見た。縄文時代の県内の遺物を展示している中の一つとしての展示だ゜った。
恐らく、昭和46年に東北自動車道建設に伴う発掘調査の際に出土した野外埋設土器7基のうちのどれかだろうと推定する。
それに比べ、塩沢上原A遺跡の遺物は、県立博物館の縄文時代の主要な展示物の一つだ。
昨年の秋に確かめてきたのだが、そのままになっていた。これを機会に整理しておくことにする。
県立博物館の縄文遺跡復元展示住居は、塩沢上原A遺跡の2回目の調査で発見された丘の南側にあった典型的な複式炉の1基を切り取って復元されたものだ。
この住居に、縄文時代の生活ぶりの復元を重ねて展示している。
塩沢上原A遺跡の人々の生活をイメージするとともに、田地ケ岡遺跡の人々の生活も同じようにイメージする。
県立博物館では、県内各地の縄文時代の石器や土器が展示されている。
その中から、塩沢上原A遺跡から発掘された土器と石器の写真を拾って貼り付けておく。
これらは、塩沢上原A遺跡の遺物ではあるが、……、
散策人の程度なら、田地ケ岡遺跡もおおよそ似たような遺跡と類推していいと思っている。
そう思うと、想像が膨らむ。
更に、近くの原瀬の縄文遺跡も含めて、安達太良山麓の縄文時代を類推すれば、野外に復元された原瀬の縄文住居もイメージを膨らませる。
その内部に、博物館の展示の敷物などの想像を膨らませて、……。