大名倉山②
2009年 03月 29日
安達太良山の信仰は、平安時代まで、磐梯山・吾妻山修験の峰入りに組み込まれて盛んだったと聞く。
独立峰としての信仰としても、山麓の登山口にそれぞれの神が祀られたという。
そして、それらのそれぞれの神、宇奈己呂和気神、飯豊和気神、安達嶺禰宜大刀自神、安達嶺飯津売神などが、久安2(1146)年に本宮町の菅森山に合祀遷座されたということだ。
この時に、新たに安達太良山支峰である大名倉山の神である宇名己呂別神も勧進し、安達太良明神と称したということらしい。
大名倉山は、安達太良山支峰として安達太良山信仰の一役を担っているということのようなのだ。
安達太良神社は、安達太良山の遙拝殿として標高1700mの安達太良山を拝む機能が大切だし、大名倉山もその支峰として安達太良神社から仰ぎ見られる存在であることが大切なようなのだ。
したがって、山頂からは大玉のほぼ全貌を眺望できることは勿論、奥深い山々の神の存在を感じながら、景色の素晴らしさを堪能し、本宮も見渡せることを確かめる。安達太良山の水の恵み、温泉の恵みをもたらす神に感謝しながら。
この山は安達太良と同じように象徴的な山でもあります。
20年程前は主峰の北東部を砕石のため頂上付近まで削って無残な姿でしたが、年月が過ぎ緑が荒れた山肌を覆って緑豊かな山容に戻ったのは嬉しいことです。
その時の経済等の事情が優先され、そのことが無視されて変形してしまって、元々の意義が失われてしまうのはさびしいですね。