阿武隈川本流の水質
2008年 10月 18日
木幡川・安達太良川等、2本の安達太良川の支流の水質をみつめる機会があったので、その間の本流である阿武隈川の水質にかかわるニュースを切り抜いておいたものらしい。
見出しは、「カゲロウ激減」福島・阿武隈川~水質改善橋すっきり(2007.9.25「朝日新聞」)
。
77年頃から異常発生が確認されるようになったアミメカゲロウが、昨年は激減していることを伝えるものだった。
このアミメカゲロウがニュースになるのは、発生したアミメカゲロウが橋の上に落ち、その卵の油分で車がスリップするからだ。福島の阿武隈川では、30年間季節になると、この大量発生に悩まされてきていた。
ニュースの「キーワード」という欄を設けて、アミメカゲロウを以下のように解説している。
シロイロカゲロウ科で別名オオシロカゲロウ。カゲロウの中では最も大きく、本州、四国、九州に見られる。8から9月の夕方から夜に孵化し、其の後数時間のうちに交尾・産卵し、一生を終える。
普通の季節は、卵はかなり深い川底にあって、なかなか見つけにくいそうだ。発生する時期近くになると幼虫が浮遊して目立ってくるらしい。
このアミメカゲロウの大量発生に最初に着目したのは、NHkの福島放送局だ。
自分も現象としては目にしていたが、それまでだった。それを問題意識まで高め、番組にするまで整理したという意味で、この放送を見た時の印象が強烈だった。
新聞には、大量発生の様子を県自然保護協会長さんの写真を掲載して伝えている。
そのアミメカゲロウを、県自然保護協会は、毎年、調査し続けていたらしい。
8月下旬に川底に生息するアミメカゲロウの幼虫を調査して、その年の発生数を予想しているとのことだ。
それが、去年はこの調査で1匹も確認できなかったとのことだった。
これは、阿武隈川の水質改善が生息数の減少につながっているのではないかと見ていた。
アミメカゲロウは、川の汚れである有機物を食べることから、汚濁の進行を表す生物指標としての役割を果たしているからだ。
今年は、阿武隈川に関しては、白鳥の飛来と鳥インフルエンザにかかわってのニュースが中心で、このことに関しては話題に上らない。それは、アミメカゲロウが安定して減少しているからではないらしい。今年はこのカゲロウが、あちこちで発生しているようだ。
しかし、そのことが、直ぐ水質悪化に結びつくものでもなさそうだ。この曖昧さがニュースにならない理由だろうと想像する。
阿武隈川の水質が改善されていることは、川に関わりのある方々は実感として持っていて、特に白河辺りの水質の改善が進んでいると感じているようだ。
恐らく、他の何らかの別のファクターで、発生が多くなっているのだろうと思われる。