地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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映画視聴記録「靖国」

靖国 YASUKUNI
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 福島フォーラムで10時15分から上映された「靖国」を観た。

 毎年、8月15日に靖国神社の境内で何が行われているかを初めて知った。
 カメラは、日々の靖国神社ではなく、この特異日の1日を神社の灯が落ちるまで淡々と追う。
 様々な軍服を着て、仰々しく参拝している光景、変なアメリカ人の行動とその周りの反応、靖国をアピールする集会とそれに抗議する行動、身内が靖国神社に祀られている二人の女性の会話、南京虐殺は真実でないと訴える抗議行動、逆に靖国に祀られることへの台湾の方々や浄土真宗の方々の抗議行動、夜間の宮司たちの行進などの神事、それらをかなり接近したカメラで追う。この日、こんなことが靖国神社で行われているのかという描写の中の一つの出来事として、ニュースで目にする首相参拝は捉えられている。
 感情的には、漠然としたものではあるがかなり強烈なインパクトがある。

 ここに、靖国神社のご神体である靖国刀の最後の刀匠の仕事ぶりとインタビューが重なる。

 更に、ドキュメンタリー作家としての視点であろう、新聞記事、昭和天皇、虐殺の写真等々をスポット的に流す。
 構成的には、スタンダードなドキュメンタリー作品であると思う。

 ただ、作品として残念だったのは、刀匠が自分の仕事に誇りを持つ立派な職人であるが、憂国の烈士ではなかったことだ。
 憂国の烈士をイメージできる回答を期待していろいろ質問するが、氏の反応は、普通のわれわれに近い日本人の感覚でしかない。最後には、今後も戦争は起こってほしくないと笑いながら答える。その氏の言葉は、われわれには素直に耳に届く。

 映画は、それでもようやく引き出した昭和天皇とのイメージの重なりを使って、監督のイメージする靖国を映像に語らせる。

 この映画、上映中止要請や登場する刀鍛冶職人のシーンカットの要請、国会議員のよく分からないコメントと何かと騒々しかったが、ごく普通のドキュメンタリー作品だと思う。
「靖国 YASUKUNI」の映画詳細、映画館情報はこちら >>



エキサイトシネマ作品解説内容
作品のあらすじと解説
 賛成派も反対派も含め、そこへ集う人々を多角的に見つめるドキュメンタリー
 ふだんは静かな靖国神社だが、毎年8月15日になると様々な人々が集まってくる。大きな国旗を掲げ、英霊や天皇を称える者。旧日本軍の軍服に身を包み、ラッパの音に合わせて行進してくる一団。「天皇陛下万歳」を叫ぶ者、戦没者集会に現れる議員たち、歌われる「君が代」、そしてそれに抗議の意を唱える近隣諸国の若者…。「英霊」という名の姿形がないものをめぐって、称える者も反対する者も熱くなる。そんな「靖国」とは…。

 今年90歳になるという刀鍛冶職人が日本刀を作るシーンから本作が始まる。あまり知られていないが、靖国神社のご神体は日本刀なのだ。毎年夏になると、ニュースで大きな話題になる「靖国問題」だが、戦後60年たった今、「英霊」と言われても、多くの人にはピンとこない問題だろう。実際に靖国神社に行ったことがなく、まったく関心もない国民も少なくない。本作は日本滞在歴が長い中国人監督によるドキュメンタリーだが、「靖国」の歴史やイデオロギーを解説するのではなく、そこに「集い」、「行動」する人々の姿をただカメラに収め、結論は見るものにゆだねている。知っているようで知らない「靖国」の一面を見るのにいい機会だろう。
キャスト&スタッフ
 監督:リー・イン
作品情報 
 ジャンル : 洋画  | ドキュメンタリー
 製作年 : 2007年
 製作国 : 日本=中国
 上映時間 : 123分

福島フォーラム作品解説内容
2007年/中/2h03
監督:リ・イン
出演:刈谷直治/菅原龍憲/高金素梅
 日本在住19年の中国人監督が10年にわたって「靖国」をテーマに取材を続けた渾身のドキュメンタリー。日本人がこれまで見過ごしてきた歴史がここにある。「靖国刀」の鋳造を通して描くアジアでの戦争の記憶。真のアジアの平和と友好のために何が必要なのか、この映画は問いかける。
by shingen1948 | 2008-08-05 04:38 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)