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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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複式炉とどんぐり

縄文時代中期後半頃の住居は複式炉であることが、福島県では普通である。しかし、これは福島県が、複式炉文化圏と呼ばれる文化的な特徴を有しているということなそうだ。
「ふくしまの歴史」によると、これは1962年(昭和33年)に、梅宮氏が複式炉が福島県を中心とした縄文時代中期の後半頃を特徴づけることを提唱したとのことだ。
 
 この複式炉には、土器が埋められているのだが、周りの土が赤く焼けていることから、おきを入れておいたのではないかといわれている。報告書等には、その目的については触れていない。

しかし、マニアの遊びの本には、大胆に想像しているものがあり、しかも納得してしまう。
 縄文式生活技術「縄文人になる」(関根秀樹著)では、ドングリのあく抜きに灰が必要だったのではないかと想像している。
 ナラやカシやトチの実は、苦みの成分はタンニンなので、最初はなるべく冷たい水に長時間さらしてあく抜きした方がいいという。更に粉にして水にさらせばさらに苦みが抜けるだろうとのことだ。
 ただ、トチの実は、サポニンなど水溶性でない苦み成分が多いので、大量の木灰のアルカリを加えて煮る過程が必要だという。それで、東北や中部地方のトチ食文化圏の縄文住居のでは、灰の貯蔵のために土器を埋め込んだ複式炉をしつらえる必要があったとみている。

「ふくしまの歴史」で、不思議なことに炉や土器の中には灰が残っていませんという記述とも矛盾しない。
 なお、この複式炉が初めて発掘されたのが、飯野町の白山遺跡で、1957年(昭和32年)とのことだ。近くを通っていたことがあったのだが、立ち寄った事がなかった。機会があったら立ち寄ってみたいと思っている。
by shingen1948 | 2008-03-18 05:08 | ◎ 埋蔵文化(古墳・それ以前) | Comments(0)