二本松市塩沢上原A遺跡に行ってみる
2008年 03月 13日
(福島県立博物館常設展示室のページ)
以下のような案内がある。
縄文時代中期中頃→後半頃(今から約4700→4,200年前)の住居を復元したものです。二本松市塩沢上原(しおざわうわはら)A遺跡の発掘調査のデータを基にして復元しました。住居の中央には「複式炉」(ふくしきろ)と呼ばれる大形の謎の炉が設置されています。
現地を確かめる。
二本松市から県道を塩沢温泉に向かい、高速道路をまたぐあたりがこの遺跡だ。
高速道路の脇道を右折すると下り坂になる。下りきったところからは、台地の北のはずれが見える。
もう一度戻って道路に出る所で案内板をみつける。
塩沢上原A遺跡
標高約273㍍の台地上のこの一帯は、現在でも沢山の土器片や石器が散布してい縄文時代の大規模な遺跡です。
過去に3回の発掘調査が実施された結果、縄文時代中期 (約4000年~5000年前頃)の複式炉を伴う集落跡であることがわかりました。1回目は昭和46年に東北自動車道車道建設の際に台地の西端が調査され、竪穴住居20軒 、袋状土壙6基、円筒
状土壙4基などが検出されました。2回目は昭和59年の県立博物館による学術調査で、台地の南端部において竪穴住居跡19軒、土壙9基などが検出されました。このうち典型的な複式炉の1基を切り取り、同博物館に 時用節展示されています。3回目は、平成7年に県道拡幅工事に伴って台地中央部の調査が行われ、袋状土壙7基、土器棺墓2基などが検出されました。土器棺墓 からはヒスイ製の垂玉が出土し、ほかに人面付き土器、船型土製品の出土が注目されます。
以上のことから、当遺跡は竪穴住居跡を台地の縁片部に配置し、中央部は、墓城あるいは祭祀域として区画した、環状の集落配置であることが確認できました。さらに、複式路は2個の土器を用いた規模の大きなもので、複式炉が最も発達した時期の形態で在ることが分かりました。
このように、当遺跡は縄文時代中期の生活の様子を知る上で、たいへん貴重な遺跡として後世に残すべき大切な歴史遺産です。
平成14年3月
二本松市教育委員会
文化財保護法により、当遺跡内における土木工事等の開発は規制されていますので注意してください。
台地の南側まで降りて、そちらから台地を眺める。
関連の展示物の様子については、教育福島07.4のページが詳しい。