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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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幻の原瀬笠張遺跡

二本松原瀬地区には、安達太良山麓埋蔵文化にかかわって、もう一つの遺跡がある。日本最古の旧石器時代の遺跡である「原瀬笠張遺跡」だ。ただし、この遺跡は幻の遺跡で、一斗内松葉山遺跡とともに、考古学の根底を揺る「旧石器発掘ねつ造」問題が発生した代表遺跡だ。
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 ここからは、40万から60万年前の安山岩の石器(スクレイパー)3点玉髄整等1点が出土したとされて話題になった。平成10年の「企画展 発掘ふくしま2」によると、ここでは、5つの文化層を確認し、そのうちの2つの生活面から出土した石器が、日本最古の段階の可能性があると注目された。

 平成10年7月の「企画展 発掘ふくしま2」時点では、捏造はまだ分かっていない。その資料からこのニュースが、学問の世界でもビッグなニュースとされていたことが分かる。
 資料では、「最古の人類を求めて」として、旧石器時代の代表として紹介された。その紹介の最後は以下のように結ばれている。
 これらのきわめて古期に属する遺跡は通常、土中深くに埋没しているため意識的な踏査を行なわないと発見する事が困難である。福島県の時代観を大幅に拡大させた藤村氏らの踏査活動に学び、今後も粘り強い遺跡の確認が必要である。
   更には、東北大学総合学術博物館 柳田俊雄氏の「福島県二本松市原セ笠張遺跡の発掘調査」の報告書が載っていて、会津若松市の笹山原№10遺跡、郡山の弥明遺跡、福島の学壇遺跡、耶麻郡の林口遺跡が紹介されていた。

 しかし、2000年だったと思うが、藤村氏が平成7年より捏造されていたことだということが分かり、郡女大柳田俊雄教授等が再調査を行なって、偽物と結論されて国の指定は取り消され、話題は沈静化した。

 この事件で、旧石器時代については懐疑的になり、探求熱は冷めてしまったようだ。
 旧石器時代について、現時点ではどう認知すればよいのかを、福島県立博物館のページで確かめておく。
 福島県立博物館常設展のページによると、現在では福島県での最古の遺跡は、伊達郡桑折町の平林遺跡で、私たちの祖先が2万~3万年前の旧石器時代から住んでいたということのようだ。

 福島県立博物館収蔵品の紹介のページによると、耶麻郡高郷村の塩坪遺跡は後期旧石器時代の代表的な遺跡で、黒曜石片が出土しているとのことだ。1万4000年くらい前に、この地方の人々が長野県の和田峠から産出する黒曜石の交易圏に入っていたことを推定できる資料が整っているらしい。
by shingen1948 | 2008-03-09 06:11 | ◎ 埋蔵文化(古墳・それ以前) | Comments(0)