地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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「ゆとり教育を見直す」その前に③

「朝日新聞」(2007.12.5)社説は、国際学力調査結果を受けて「考える力を育てるには」という題で、考察していた。
 国際学力調査の特徴を、「学校で習った知識をどれぐらい覚えているかではなく、知識の応用力や論理的に考える力を問うのだ」とした。そして、その結果については、学力の低下に歯止めがかかっていないことは間違いないとした。
 ここまでは、全体の動きと同じだが、その結果を受けての日本がカジを切った方向性については、疑問を呈しているところが、独自の考え方になっているように感じる。

  日本が切ったカジの方向性とは、簡単に言うと以下のことだと思う。
○ 03年に数学と読解力が大幅に順位を下げ、学力低下の議論を一気に高め、導入して間もないゆとり教育を見直した。
○ 国語や理科などの授業時間を増やし、総合的な時間を減らすことを決めた。

今回の結果から、誰しも納得する問題点の特徴を二つあげている。
○ 学力の低い層の割合が大きい。
○ 身の回りのことに疑問を持ち、それを論理的に説明する力が弱い。
ここから導き出される重点的に取り組むべき方向性とは、学力の底上げと応用力の強化であるといえる。その方策は次のようなことだ。
 授業についてこれなくなった児童には、きめ細かな後押しをして、落ちこぼれを作らないことである。
 応用力を育てるには、授業の改善しかない。公式の当てはめ方を機械的に教えるのではなく、その論理を子ども達に自ら考えさせるような、そんな授業が求められるということだ。
 同誌は、解決には、十分な教員の数と共に、その質を上げることが必要で、単に授業時間を増やしただけでは解決しないことは、文科省も知っているはずだとした。

  ここで、注目したいのは、二番目の課題「応用力」の育成の必要性についてだ。ここから導き出される授業の改善とは、自分で問題を設定し、解決方法を考える授業ということである。それは、今削ろうとしている総合的な学習の時間でめざしたことではなかったのかということだ。
 それでも削るなら、他の教科に2時間の「ゆとりの理念」をちりばめて欲しいと注文した米長邦夫永世棋聖の考えに符合することに注目したい。

 手に入る資料でこのことについて論じているのは、「福島民報」(2007.12.11)、「 OECD調査、今後に生かそう」という題で論じていた論説だ。
 「朝日新聞」でのこの二番目の課題については、以下のように論じていた。
  知識の実生活への活用能力を重視するPISA型学力は、文科省が掲げる「生きる力」の育成と相通じるはず。にもかかわらず、結果に結びつかないのは何故かと疑問形で結んでいた。 
 回答は避けているが、言いたかったのは、世論や政府の意見に右往左往して腰を落ち着けて実践の指示を出せなかった醜態ではないかと思えるのだが。
 なお、多分「朝日新聞」の一番目の課題についての方策の提案であろうと思うのだか、以下のように提案していた。
  少人数の実現とじっくり学ぶ時間の確保が必用であり、専門家や現場の意見を踏まえて、現場を支える有効な施策が必要だとした。
 更には、科学教育の課題にも触れ、科学的な分野の元気な姿を見せ、青少年の関心を高める環境作りが大切とも訴えていた。

 どうも、いっぱい法律を通して、教育は百年の計だとして動かそうとした方向性は、結果的には、百年の計であるべき教育が、パフォーマンスのために、捻じ曲げられたということになっているようだといったら言い過ぎなのだろうか。
by shingen1948 | 2007-12-21 04:25 | ☆ 教育話題 | Comments(0)