地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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モデルの直輸入

 最近の主導者の主張のプレゼントパターンは、現在は崩壊、または、瀕死の状態で訴えることだということについては、先に何度も書いた。
 この観点から、専門家の意見や経緯、歴史的背景は、悪くなった原因の根元として、全て切り捨てる。不信感を駆り立てることによって、自分の信頼を集めるという若々しい方策を使うのが特徴であった。

  次に気になっていたパターンが、解決の方策が、どこかの国の直輸入モデルを持ってきて、これでこれで総て解決とする姿勢であった。ちょっと囓った人なら誰でも分かるモデルを使うことで、わかりやすさを演出する。英国教育モデルについては先日書いたし、何となくそんなことを感じてはいたのだが、具体的に指摘する記事を見つけた。

  2007.6.7「朝日新聞」に吉田徹北海道大学院准教授の「少子化対策[仏モデル]直輸入は疑問」との意見が載っていた。
  考えさせられることが多かったが、特に、子育て支援の意義に触れているところが納得できた。論の趣旨を以下のように読み取った。
  フランスの手厚い出産育児支援という点だけを取り入れようとしているが、目的が違っていて、フランスは、労働力や人口維持を目的にしているのではないこと。産みたい人だけでなく、人生の選択肢として産んだ人を行政が支援するという目的であること。
  つまり、生殖に関する自己決定権を国が恣意的にコントロールしていないし、個々の市民の決定権を尊重して出産育児を支援しているということらしい。

  次に、以下のような他の政策が、支援策や文化と相互に関連しあっていることの考察の必要性の主張は鋭さを感じる。
◇ 労働時間の差と、これから勧めようとする政策の違い~出産子育てを可能にする時間的なゆとりの考え方が全く違う
◇ 多様なカップルの容認の程度が違う
◇ 子育て支援出生率の因果関係の考察
 ・ フランスの子育て支援策が、直接的に少子化対策結果につながったのではなく、移民系フランス人の増加と貧困が後押ししたと捉えられる根拠があること

  そういえば、主導者の主張の特徴の一つに、単純明快な論の進め方があった。こういった関連性や曖昧性をそぎ落とすことが、明快さを保つ秘訣なのだということも教えられた。
by shingen1948 | 2007-06-08 05:03 | ☆ 教育話題 | Comments(0)