「親が学ぶ」と「親学」を並べてみました
2007年 04月 30日
毎日新聞「くらしナビこども」の4月は、ペアレント・トレーニングの話が、4話続いた。
ペアレント・トレーニングというのは、子供達の行動を望ましいものに変化させていく手法を「親が学ぶ」ものだ。
4月22日の4話目は、発達障がいの子に「よい行動」を教えるための手法紹介であった。その中で、世の中のきまりごとを分類しておくことの大切さが書かれていた。
それによると、世の中のきまりごとの分類は、次の通りだ。
1 法律のルール
自分も他人も、いつでもどこでも守る。
例、人を殺さない。傷つけない。物を盗まない。
守らないと警察に捕まる。
2 社会のルール
自分は守る。守らない人に無理やり守らせない。変更もある。
例、順番を守る。バスや電車で騒がない
守らないと人に嫌われる。人に迷惑をかける。
3 個人のルール
自分は守るように頑張る。他の人も別のルールを持っている。守らない人に無理やり守ら せない。個人のルールよりも、みんなで仲良くすることが大事。変更もある。
例、毎日学校に行く。勉強をする。約束を守る。
守らないと、自分が困ることがある。人に迷惑をかけることがある。守れなくてもやり直せ る。
政府の教育再生会議も、親に向けた子育て指針である「『親学(おやがく)』に関する緊急提言」をしたとのことだ。
(1) 子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2) 授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3) 早寝早起き朝ごはんの励行
(4) PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5) インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の 実施
(6) 企業は授乳休憩で母親を守る
(7) 親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8) 乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9) 遊び場確保に道路を一時開放
(10) 幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させ
る
(11) 思春期からは自尊心が低下しないよう努める
このルール、どう落ち着けようというのだろうか。
本気で「よい行動」を教える親学ならば、決まりごとを分類しておかなくてはならない。自分の感覚では、先の分類の具体例としては、ほとんどが「3の個人のルール」に該当すると思うが、どうだろうか。
新聞報道では、再生会議は、「1の法律のルール」に近い形でやりたいように見える。どうしてもというなら、法律のルールまで持っていけそうなのは、6・8・9ぐらいかな。
もし、全部どうにかしたいというのが本音なら、茶化しているゆとりはない。すごい時代がやってくるのかもしれないと危機感を持つのはおかしいのだろうか。
<教育再生会議>親向けに「親学」提言 母乳、芸術鑑賞など [ 04月26日 03時03分 ]記事内容
政府の教育再生会議は25日、親に向けた子育て指針である「『親学(おやがく)』に関する緊急提言」の概要をまとめた。子どもを母乳で育てることを呼びかけたり、父親にPTA参加を呼び掛けるなどの内容。政府の有識者会議が家庭生活のマニュアルを示し提言をすることには会議内にも慎重論があるだけに、世論の評価は分かれそうだ。
東京都内で同日開かれた主要メンバーによる運営委員会で示された。5月の第2次報告の前に正式発表する見通し。
「親学」は、親も子育て学習をする必要がある、との認識から一部の保守系有識者が提唱している考え方。子育ての知恵や文化を伝えることが主眼で、再生会議では17日の同会議第2分科会(規範意識)で提言を行う運びとなった。山谷えり子首相補佐官や池田守男座長代理らが概要をまとめた。
概要では「脳科学では5歳くらいまでに幼児期の原型ができあがる。9歳から14歳くらいに人間としての基礎ができる」と指摘するなど、11項目にわたり具体論を展開。「子守歌を歌う」▽「授乳中はテレビをつけない」▽「早寝早起き朝ご飯」▽「親子で感動する機会を大切にしよう。テレビではなく、演劇など生身の芸術を鑑賞」▽「インターネットや携帯電話の情報に『フィルタリング』を」など、家庭生活のあり方をかなり具体的に記述。子どもの発達段階に応じ「幼児期段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目」を身につけさせるよう呼びかけた。
ただ同会議内にも、「政府が押し付けることか」(学識経験者)と政府版「家庭生活マニュアル」の作成を疑問視する意見が出ており、発表段階で内容に変更が加えられる可能性もある。母乳による育児推奨には「母乳の出ない母親を追い詰める」との専門家の指摘もある。【平元英治】
◇「親学」提言のポイント
(1)子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2)授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3)早寝早起き朝ごはんの励行
(4)PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5)インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
(6)企業は授乳休憩で母親を守る
(7)親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8)乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9)遊び場確保に道路を一時開放
(10)幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
(11)思春期からは自尊心が低下しないよう努める