地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28

筆子その愛の映画から、人間関係の濃さ

 昨日は、人間関係の濃さと差別について考えた。今日は、人間関係の濃さと自殺を考える文章にであったので、そのことを記す。
 本県だけが住みにくいのかで、 「福島民報」(2007.1.13)の県警本部が、明らかにした昨年の福島県内の自殺者について報じた記事をもとに、自殺者増加県である福島県は安心して住める県でないのではないかと問題提起した。
 記事によると、福島県は前年比12人増の681人とのことであった。

  しかし、自殺者増加県が、必ずしも安心して住めない県の指標とはならないという示唆を頂く文章に出会ったのだ。 「思い切り泣いて思い切り悲しんで」と題した「心といのちを考える会」代表袴田俊英氏の書いたものだ。
 氏の住む秋田県山本郡藤里町は、全国と比較して自殺者が圧倒的に多かった。この16年で50人が自らの手で命を落とした。自殺予防に取り組んだ袴田氏たちは、悩める人に「涙を我慢しなくていい」と呼びかけけ、平成16年度には自殺者はいなかった。
 日々、消そうとしていた「つらい感情」は、実は人々に生きる力を与えるものだとする。

 示唆を与えるのは、生活に密着した濃い人間関係が、時には自殺が起きやすい環境になるということだ。人間的に優しさで構築された環境は、自殺につながることがあるというのだ。ちょっと不思議な気がしたが、いわれてみればそのようなこともあるかもしれないと思った。
 こういった環境は、周囲の目を気にしたり、ちゃんとやらねばという重圧を生むというのだ。すると、大変な事が起きたときに、当事者が気持ちをうまく発散できないという物理的な閉鎖性が起こってしまう。それが、結果的に自殺を誘発してしまうようになるというのだ。
 そして、周りの人たちは、自殺のタブー視と関係者への気遣いができるから、話題にしないことになってしまうという。これらのことが重なると、結果的に問題に向き合うことができなくなるというのだ。つまり、自殺をされた側もした側も、一人で悩むことになってしまうというのだ。

 本県の自殺者の増加の中には、ここで述べられている関係性によるものもあると想像できる。 悲観する環境だけが自殺者増加の原因ではない。関係性についても考察することが大切なのかも知れない。
 顔が見える規模の地域という人間関係の濃い地域で自殺を防ぐためには、きちんと悲しみ、きちん苦しみ、きちんと涙する事が大切だという。そのための関係の濃さの基準は次のようなこととのことだ。
 弱くなったときに手を挙げられ、目の端で相手を追っているような距離感があって、子どもをしかれるような穏やかなつながる関係とのことだ。
 こういった関係を作るには、悩みを聞いてやる場を設定することが大切とのことだ。そのことによって、タブーに向き合うことの恐れが少なくなる。そして、互いに自分は何もできないことを知り、諦めることで、しなやかになる。そこで、きちんと悲しむ、きちんと苦しむ、きちんと泣くことが出来るようになるというのだ。
 現代は、関係性などいらない。一人で生きられる社会である。また、何かをすることや損な役回りを嫌い、都合のいいときだけ、都合のいい相手を見つけてつながることが楽であり、これを求める風潮の時代である。しかし、こういったさびしい関係ではなく、人間関係の濃さを調整しながら生きられる地域づくりが大切なようだ。
by shingen1948 | 2007-03-14 22:00 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)