地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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緊急対応問題と理念先行問題の混同はないのか

<安倍政権>重要法案先送り 求心力低下で「弱腰」 [ 01月18日 03時01分 ] Excite エキサイト : 政治ニュース
  「朝日新聞」2007.1.23は、安部首相の支持率の低下とその考察を報じていた。実の所、支持率の変動や政争に興味はないし、その分析結果にも大して興味はない。ただ個人的に問題対応の感覚が変だという思いは、報道内容と大差ない。何かが変なのだ。

  例えば、緊急に対応することとは、災害などの緊急の危機、不祥事対応などであろうか。この部分については、報道を鵜呑みにすれば、バランスをとったり、配慮したりすることが多いように見える。
逆に、バランスをとったり、経緯をみたりして、慎重を期してバランス感覚を取りながら進めなければいけないのは、教育や外交、防衛などだろうか。この部分については、逆に、随分急いで改革を掲げていると感じるのだ。教育については、理念編の教育基本法を、具体的に政府が改革をすすめる仕組みにし、理念としての安全装置を外した。防衛については、これから、憲法という理念の安全装置を外して、直ぐに改変できるようにと考えているようだ。外交については、理念一辺倒で強く圧していく姿勢のようだ。
何かが違うという感覚では皆が一致しているようにみえている。

  2007.1.13「毎日新聞」の「土曜解説」では、教育再生会議についての位置付けについて、不透明で混乱との見出しにした。要を得た指摘だと感じている。
  「教育は重要な問題」という言い方は、人を納得させやすいが、政策として重要なのか、日本の方向を左右する理念構成として重要なのかで意見が分かれるところだ。そういった意味で、指摘は、単なる手続きのように見えるが、実はこの時期にこの指摘の奥深さを感じるべきだと思うのだ。

  先に示したように、教育基本法が、理念に基づく安全装置であった。それを取り外したのが、今回の改訂の裏に隠されている。次の手続きは、今までの理念との擦り合わせを省略すれば、政策として教育が使えるようになる。それで、再生会議に、首相が直接介入したり、その推進部所である文科省が、意見を言ったりしているのだ。正式な会議や手続きを待たずとも、ここには、国の意見が集約されているとのカモフラージュで、ここでも暴走の安全装置は外されたと見るべきだと思う。

安全装置が外しっぱなしでも許されるのは、緊迫した状況で、課題に緊急性が求められる時である。そこで、使った言葉が、「今の、学校は瀕死の状態」という表現であると推定される。
瀕死の状態との危機感から、わが子を学校に行かせられなくなっているのは、エリート教育をめざす家庭では、当然である。小学生が夜の10時まで塾通いをして、将来に備える一部の家庭の価値観にとっては、当然瀕死にみえるはずだ。
しかし、都市の感覚でなく、地方の多くの日本人が将来どうあるべきかという認識に立った時、凡人には、日本中の義務教育が、子どもを学校にやることができない危機的な状況になっているというふうには見えない。勿論、よりよい状態を目指し、配慮事項の足りないことがあって、傷つく児童が救えない部分があることは確かである。しかし、国の制度の全体を変える治療をすべきことと結びつくことなのかは疑問である。それは、改善による配慮を強化する問題と捉えるべきことと考える。

  この状態を瀕死の状態として、手続きを省略しようということは、理念を政策に変質させようという陰謀が感じられ、とても危険な状態だと思っている。

安全装置とは、本質的に不便にしておくべきものなのである。
アメリカのミサイルが、誤報でコンピューターの制御が外れて、総て発射に向かった時、働いた安全装置は、最後の発射が手動という手間隙がかかる装置にしておいたことだった。   
製本業者が使う大型でよく切れるカッターは、両手でボタンを押さなければ作動させることはできない。この不便さが、腕一本落とす危険を防いでいるのだ。
録音録画の機械は、大切な記録が失わないようにするために、二つのボタンを押さなければならない不便さによって確保されている。不便さが、間違いを犯す危険性を防いでいるのだ。
教育には、効率だけで割り切れない部分が多く、理念と実際の評価がずれた時、理念に従わざるを得ない判断が必要になったりする分野である。ここに、政策のために安全装置をはずす仕組みをつ作ることは、とても危険な仕組みだと思っている。どの分野も見境なしに、安全装置を外し、効率をあげればいいというものではないと思うのだが。

<安倍政権>重要法案先送り 求心力低下で「弱腰」 の記事内容は以下の通り
25日の通常国会召集を控え、安倍政権の掲げる改革が失速感をぬぐえずにいる。教育再生会議の第1次中間報告を閣議決定事項としない方針を固めただけでなく、残業の概念をなくす「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制度を導入する法改正や、首相補佐官の権限強化法案など目玉法案も相次ぎ提出見送りが決まった。参院選に向け与党との摩擦を回避したい思惑や、内閣支持率低下がもたらす求心力の衰えが安倍官邸の「弱気」に影響している。

 首相は17日の自民党大会で「教育再生は私の内閣の最重要課題の一つ。教育再生会議の議論を踏まえ、必要な法改正をこの国会で行う」と強調、教育再生に改めて決意を示した。しかし、伊吹文明文部科学相は16日の記者会見で「教育再生会議の提案は提案として受け止めるが、最終的には(文科相の諮問機関の)中央教育審議会に諮って法案化していくだろう」と強調。自民党文教族にも再生会議の議論に「急進的だ」との不満がくすぶっていた。こうした中で各省庁をより強く拘束する閣議決定の見送りは、自らの手で教育再生を進めたい首相の意向とは裏腹に、文科省や文教族議員の発言力を強める効果をもたらす。

 昨年末の本間正明前政府税制調査会長ら相次ぐ辞任劇などで傷ついたイメージを回復させようと、官邸サイドは通常国会での「成果」を重要視していた。だが、「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制度導入を盛り込んだ労働基準法改正案は、「残業代がなくなる」など労働界や野党などから批判が噴き出し、与党内からも慎重論が続出。提出を見送らざるをえず、塩崎恭久官房長官も17日の会見で「『残業代ゼロ(法案)』という言葉が先行したことは反省しなくてはいけない」と述べた。

 また、首相が掲げる「官邸主導」の象徴とされた首相補佐官の権限強化のための内閣法改正案の提出見送りも、野党からの批判や権限集中に対する与党内の反発などに官邸が押された印象は否めない。

 通常国会で安倍カラーを発揮できる材料が開幕を前に次々としぼみそうな異常事態。政権運営手法の拙劣さを批判する声も与党内には広がるなど、安倍官邸への風当たりは強まっている。【西田進一郎】

by shingen1948 | 2007-01-23 20:34 | ☆ 教育話題 | Comments(0)