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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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親は「人としての親」とは限らない現実

<児童虐待防止法>改正案に「親責任」導入 与野党が一致 [ 01月09日 03時00分 ] Excite エキサイト : 政治ニュース
虐待が、こんなに話題になっていなかったころ、アメリカの虐待の話を小耳に挟んだことがある。「アメリカでは、保護者を保護したり、治療したりするシステムができているんだって。」という話だった。日本では、親が子どもを大切にしないことはあり得ないという前提のようなものがあるから、こういう問題が起きたら対応できないだろうねと話していたものだった。
それから、十年しかたたないのに、日本でも違う価値観で体制を構築することが始まったということに驚く。

「朝日新聞」(2006.12.2)は、「泉崎虐待死父親初公判」について、報じる中で、事件をめぐる児童相談所など関係機関の対応について、1996年から時空的に羅列して報じた。それによると、近隣からの通報、前の児童相談所からの保護協力要請、病院からの通報、家裁、弁護士、白河署との相談、村側の保護の要請、学校側の主張、中央児童相談所の学校訪問による確認などの積み上げと9回に及ぶ検討会の開催などの対応をしている。
  一行政官が、虐待を行っているかもしれない方がどんな方か分からない中で、踏み込む判断が出来なかった事を非難されている事に同情する。しかし、踏み込むことが出来なかった事で、子どもが救えなかったということも事実ではある。
 問題の一つは、権力の行使の問題であろう。次に、間違っている保護者を間違っているといえるシステムにする事の問題であろうか。
 権力の行使の問題については、日本子ども虐待防止民間ネットワーク代表の岩城正光氏の以下の意見が、今後の対応について示唆を与えているように感じている。[朝日新聞(2006.12.22)特集記事「警察主導の対応やむなし」]
 氏は、04年段階では、警察指導の立ち入り調査は問題であると指摘した。だが、警察の活用に慎重でありすぎたのではないかと自省している。
 児童相談所は、親子関係のケアやカウンセリングという役割を担っているので、親と対立することは避けようと、家庭への介入に消極的になり、警察との連携もためらいがち。
 泉崎村の男児が餓死した事件など、家庭への介入に消極的で命を救えなかった例をあげ、介入という権力の行使に慣れた警察が、立ち入り調査で主導的な役割を果たすことが、子どもの安全を守る上で有効でないかと考えている。
  保護認定の要件については、長期にわたって子どもの安全が確認できないことと、親が子どもに合わせないことということを提案している。


間違っている保護者を間違っているといえるシステムということについては、厚生労働省発表の「昨年度の児童虐待の保護状況について」[福島民報(2006.12.13)]の概要のうち、次の部分が問題提起していると思う。
 家庭裁判所が都道府県に「親への指導」を勧告したのは、25件。このうち、保護者がカウンセリングを受けるなどの改善がみられたのは9件、……。

親を親であらしめる為の強制力を使わざるを得ないケースが多いということではないか。

  福島民報が報じた「厚生労働省発表の昨年度の児童虐待の保護状況について」の概要
2005年度に全国の児童相談所が立ち入り調査が必要と判断したのは207件で、うち保護者の拒否などで立ち入りを断念したケースが約1割に上ることが分かった。
その理由は、保護者の拒否抵抗、不在、行方不明等とある。そのうち、抵抗のあった八件のうち五件は、警察官の援助を受けたにもかかわらず、室内に立ち入れなかったという。
また、立ち入り調査ができた187件のうち、121件が警察の援助を受けているという。


「<児童虐待防止法>改正案に「親責任」導入 与野党が一致」の記事は以下の通り。
 07年に予定されている児童虐待防止法改正について、各党を代表して協議している超党派の勉強会が、親権の前提として「子どもを養育する責任」があるとする「親責任」の考え方を、改正案に盛り込むことで大筋一致した。民法の親権規定が、虐待されている子どもへの対応を遅らせるケースがあることに配慮。親権に対する新たな概念を導入することで、家裁の親権喪失宣告や親権代行者を立てる保全処分、児童相談所による立ち入り調査をしやすくする。【平元英治】

 協議しているのは「児童虐待防止法見直し勉強会」(幹事・馳浩自民党衆院議員)で、それぞれ党内手続きを経たうえで、25日召集の通常国会に議員立法で提出する。

 同法は00年成立し、04年に一部が改正された。この際、公的機関による子どもへのケアを容易にするため、虐待を行う親の親権を「一時停止および一部停止」する制度の導入が議論されたが、民法がネックとなり実現しなかった。

 民法は「成年に達しない子は父母の親権に服する」(818条)と規定している。親権の一時・一部停止を実現するには民法改正が必要だが、改正の際は法制審議会(法相の諮問機関)で数年かけて審議するのが通例で、04年の児童虐待防止法改正では「3年後をめどに見直す」と議論を先送りした。現在も民法見直しの動きはない。

 親責任は、こうした状況を受け浮上した。89年に英国が児童法に取り入れた「親が責任を果たしている限り、子どもに対して権利を有する」との法概念で、状況に応じた親権の制限を目的としている。勉強会は日本でも民法の範囲内での対応が可能と判断、厚生労働省の雇用均等・児童家庭局も「児童虐待防止法に盛り込まれれば、数年かかる親権喪失宣告や最短でも1週間前後かかる保全処分が早く行われる」と期待を示している。

 例えば、児童相談所が家裁に保全処分を申し立てた場合、家裁は親から事情を聴く「審尋」を経たうえで判断するのが通例。勉強会メンバーによると、親責任を導入すれば、緊急措置の保全処分は審尋なしで認容される可能性が高く、事態への対応をより迅速に行えるようになるという。

 一方、児童虐待への警察関与について、自民党は「親責任をテコに、住居への強制立ち入りなど関与のルール作りを進めるべきだ」と主張しているが、野党は「憲法が定める捜査の令状主義を侵す恐れがある」と難色を示しており、引き続き協議する。

 全国の児童相談所での児童虐待に関する相談件数は90年度には1101件だったが、以後年々増加。05年度には90年度の31倍に当たる3万4472件に達している。

by shingen1948 | 2007-01-15 20:16 | ☆ 教育話題 | Comments(0)