地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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夢を売っている模型屋さん

a0087378_4413218.jpg「模型屋が夢を売っていた時代は終わったんですよ。」
 子どもが小さい時、何故か鉱石ラジオを作らせて見たくなったことがあった。街中の自分が知っている模型屋さんを訪ね歩ったが、そんなキッツを売っている店は無かった。もうないだろうとは思ったが、確認をするため、立ち寄った模型屋さんが素敵な言葉を口にした。この言葉、今でも忘れない。あの時、私は、自分を確認したのだ。そうか、俺は夢を買いに、街中を歩っていたのだと。売っている所が無かったというむなしさよりも、そのことを確認できた嬉しさを今も忘れられない。
  この店では、奥から何石もの鉱石を使った進化したラジオの模型製作キッツを出してきて、見せてくれた。親父さんはしまっておいた夢を自分に見せてくれたのだ。売ってやってもいいという勢いだったが、単純作業で子どもにラジオ放送受信の驚きを伝えたいのが目的だったので買わなかった。この店では、この言葉だけは心に頂いていた。
  帰り道、小学校の頃を思い出していた。
  親戚の兄さんが、自分のために鉱石ラジオを作ってくれている。はんだが溶ける匂いと煙。作ってもらった鉱石ラジオから音が聞こえた時の世界が開けていく感動。父が、エナメル線のアンテナをベランダ中に張り巡らしてくれた後姿。更には、電気屋のお兄さんが、真空管ラジオをオーダーメードで作ってくれたことまで思い出した。こんなことができる電気屋の兄さんに抱いた尊敬の念。
  確かに、あの感動を味わわせるために、鉱石ラジオを探していた自分を確認できた。

 そんな自分の小さい頃の感動まで思い出させてくれた模型屋さんが、今も健在のようだった。風に吹かれてママチャリで出かけて、健在な模型屋さんを見つけた。ありがとうの想いを込めて、陰から写真を一枚撮らさせていただいた。
by shingen1948 | 2007-01-05 04:59 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)