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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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路上生活者殺害容疑の中2の仲間関係に着目してみる

<路上生活者殺害>中2強盗殺人の非行事実で補導 愛知県警 [ 12月20日 00時47分 ] Excite エキサイト : 社会ニュース
愛知県岡崎市の乙川河川敷で11月、テント生活の無職、花岡美代子さん(当時69歳)が殺害された事件で、愛知県警岡崎署捜査本部は19日、金目当てに花岡さんを殺害したとして、同市内の中学2年生の少年(14)を強盗殺人の非行事実で補導し、県西三河児童・障害者相談センター(児相)に通告した。捜査本部は、同級生の少年2人(いずれも14歳)=別の強盗事件で逮捕=についても、1人を強盗殺人容疑で再逮捕し、事件当時13歳の1人を補導する方針。

 児相は同日、補導された少年を家裁送致し、家裁は観護措置決定して少年鑑別所に収容した。調べでは、少年は同市内の同級生2人と、家族などを通じて親交のあった住所不定、無職の男(28)と共謀し、11月19日午前1時ごろ、同市板屋町の河川敷で、花岡さんの頭や顔、背などを棒のようなもので殴り、ろっ骨骨折やひ臓破裂などで失血死させた疑い。

 中学二年生3人と24歳の男性の4人での犯行とみられている。このような事件の時、いつも不可解さが残っていたのだが、先に読んだ、「個性を煽られる子どもたち」で、土井氏の親密圏の変容の考え方を当てはめると理解できそうな気がした。そこで、関係箇所を対比して、記述して確認してみることにした。なお、事件の概要については、2006.12.20「朝日新聞」の報道を元にすることにした。
 四人の友達関係については、記事と本書を参考にして、以下のように推定する。

 四人の間には、親しいがゆえの、過剰な配慮をもってつながっていなければならないという脅迫された日常があった。四人の間に、わずかでも読み違いがあれば、優しい関係は容易に破綻の危機にさらされてしまうほど危うい関係なのである。
 関係を保つには、物理的につながっているしか術がないのだ。今回の犯罪は、互いにつながっているためのネタにすぎない。古い感覚では、動機なしの犯罪となるのではないか。

  事件の概要について、新聞は、以下のように報じている。
 
 県警は、金銭を奪うのが主な目的だったとみている。
 補導された少年は、11月19日午前1時ごろ、同市板屋町の明神橋下の河川敷で、金を奪うため、花岡さんの頭や顔、背中などを棒で殴るなどし、内蔵破裂などで失血死させた、とする非行事実で通告された。「死ぬかもしれないと思ったが、4人で徹底的に暴行した。死亡したことはニュースで知った」と説明しているという。少年は事件当時13歳だった。少年は、この直前に近くの橋の下で男性〔39〕が財布などをとられた事件と、19日午前3時すぎに近くの公園で男性〔55〕が暴行された事件のほか、数件のホームレス襲撃への関与を認めている。

 この犯罪を犯しているときの少年等の心理については、土井氏の親密圏の変容の考え方について述べた以下の記述が参考になる。相手を人間として認識できないと考えられるのだ。だから、こういう犯罪ができると考えれば理解できそうなのだ。
 その四は、犯罪と凶器使用の状況だ。強盗に数えられている犯罪の犯し方が違っているという。昔は、運悪く摘発された場合に備えて、凶器を準備して恐喝していた。それが、今は、短絡的に気分や勢いで、短絡的に思わずその辺のものを手にして脅迫や暴行を働いているという。しかも、相手に対する思いは、無感情であるという。憎しみとか、怒りといった感情はなく、狩りの感覚だという。
強盗事件でも、金銭要求をして、拒否されたので、凶器を用いるということではなく、 いきなり一方的に暴力をふるう。抵抗できなくして財布を取る方が簡単だという感覚だとのこと。そこには被害者という他者は存在しないし、反省しても、謝罪はしないという。

事件を犯した少年の取り扱いについて記事は以下のように報じている。
 
通告を受けた同センター〔県西三河児童・障害者相談センター〕は、家裁の審判に付するのが適当だとして、名古屋家裁岡崎支部に事件を送致。同支部は1月1日まで2週間の監護措置を決定した。
 他の少年は14歳未満で、刑事責任を問えないので、触法少年として児童相談所に通告される。

  そのときに、考えておかなければならない少年の心理は、次のようなことだと読み取っている。

 失敗したとき、〔今回でいうと捕まったとき〕4人は、何を恐れたかということである。
氏は、親密圏の変容で、現代の子どもは、事実が友人や家族にばれて、「関係が気まずくなること」をおそれるようになったという。
 普通の大人の概念では、「自分の将来への影響」とか、「自意識が損なわれること」を恐れるとと考えると思うのだが、それは違うとのことなのだ。

 こういった感覚は、インターネットでさえ、本来人間関係の多元化を求められる道具であるのに、すでに存在する人間関係の濃密さを増すことになるようにつかわれているということとも関係しているという。

「個性を煽られる子どもたち」で、土井氏が主張の前提においた「子どもの認識変化」について論じられた部分を、直感的に納得してしまったのだが、こうして事件に当てはめてみると、ぴったりとする。その正当性を改めて思い知らされるのだ。
 それにしても、これはゆがんでいることの確認でしかない。ゆがんだ関係になってしまったのは、教育担当者が悪いとか、家庭が悪いとかばかり言っていないで、子どもには体験を通した仲間づくりが大切なのだという、昔は当たり前だった「構築する仲間作り」の重要性について認識すべき時だと思うのだが。
by shingen1948 | 2006-12-20 19:55 | ☆ 教育話題 | Comments(0)