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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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政府権限が強まる教育基本法の改定

改正教育基本法が成立 「公共の精神」強調Excite エキサイト : 政治ニュース
安倍内閣が最重要法案と位置付けていた改正教育基本法が15日夕の参院本会議で、自民、公明の与党の賛成多数で可決、成立した。「教育の憲法」と呼ばれる教基法の改正は1947年の制定以来初めて。抜本的な見直しにより「公共の精神」の重要性を強調、教育の目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことなどを掲げた。
 採決に先立ち、改正内容に反対する民主党やほかの野党は、衆院へ安倍内閣不信任決議案、参院へ伊吹文明文部科学相の問責決議案をそれぞれ提出したが、与党の反対多数でいずれも否決された。
 改正教基法は18条からなり、前文では「伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する」と明記。新たに「生涯学習の理念」「家庭教育」などの条項を盛り込んだほか、政府は教育振興基本計画を定め、国会に報告、公表すると規定した。

政府は教育振興基本計画を定め、国会に報告、公表すると規定したことが、実は教育基本法改定の真に大切な出来事ではなかったのかと思う。

 基本法の改正については、あまり対立軸がないまま、あっけなく決着したが、2006.12.16「朝日新聞」の刈谷剛彦氏の【「強まる政府権限」監視を教育基本法改正について】と題した評論は、重大な指摘をしているように感じた。
氏は、今回の改正で、国民は、教育に関するより大きな決定権を政府に与える道を選んだとみている。いろいろな議論はあっても、実はこのことに大きな意義があったと私も思う。

 当初、私も氏が言うように、抽象的な理想を並べたばかりの教育基本法がどうであれ、現実の教育は変わるはずがないし、今までの基本法だってどれだけ役に立っていたかわからないと思っていた。
 しかし、今までの基本法には私には気づくことができなかった役割があったという。氏は今までの基本法の役割を以下のように捉えている。
今までの基本法には、上位法として「教育は、不当な支配に屈することなく…」と規定することで、国や地方の政治と行政を含め、教育への行きすぎた介入に一定の歯止めをかける役割を担ってきていたのだ。(中略)未来の有権者考え方に影響を及ぼす教育という領域だからこそ、三権分立という民主主義の原理を活用して、時の多数派や行政が犯しかねない誤りをチェックする余地を与えてきたのである。

 今回の改訂で、この事がどう変化するかが大切なことだという。氏は以下のように捉えている。
それら(時の多数派や行政が犯しかねない誤りをチェックする余地)の性格が弱まったばかりでなく、「教育の目標」やそれを実現するための基盤整備となる「教育振興基本計画」の策定も書き加えられた。つまり、新しい基本法を元に、今後は学校教育法の改正が行われ、それに準じて学習指導要領の改訂や振興計画の策定が行われる段階へと進む。

 それらのことをバックボーンに、政治がイニシャチブを取って進めるのは、教育再生会議だとして、以下のように論を進める。

  どう進むかの方向付けを決めるのは、教育再生会議になるだろうとしている。首相官邸サイドの決定が、教育の骨格作りを左右する度合いを強める。そのための舞台が基本法改正で、そろうからであるからだという。
  これから、教員や学校への評価制度の強化を通じて、学校現場を統制する力も強まってくる。

  このことを根拠に、氏は、これからの国民の行きすぎのチェックの在り方について以下のように警告している。
これが行き過ぎかどうかは、もう基本法では判断できないようになった。今後はチェックは、政治・選挙の場を通じて自分たちで行う事になった責任を同時に引き受けたのだ。

 教育再生会議の監視の必要性の訴えがなされて、数日後、安倍首相の直属の「教育再生会議」が来年一月にまとめる第1次報告の原案が16日明らかになったと報じていた。その記事には、以下の記述がみえる。
原案では、「教育再生会議では、教育基本法の改正を踏まえ、教育再生の在り方の検討を重ねたい」としており、……。
 
 刈谷剛彦氏の言うとおり、教育基本法の改正を踏まえて、教育再生会議は答申をするのである。その監視は、私たちの役割であろうか。朝日新聞が報じる概要を以下に記しておく。
いじめ問題をめぐっては、現場での安易な適用に歯止めをかける一方で、社会奉仕や別室での教育なども行うとするとともに「児童に授業を受けさせないという処置は、懲戒の方法として許されない」とした1948年の法務庁の見解については、教員が毅然とした指導ができるよう」という観点から見直すことにした。 免許状更新では、指導力の向上のための研修を優先し、改善がみられない教員は、「免許状を取り上げる」ことなどを提案している。「学力向上」「いじめ対策」を緊急課題として重視し、国語教育の充実や教育内容についての学校の裁量の拡大などとともに、問題のある子に「出席停止」処分をする際には、サポート体制を整備するなどと、具体的に提言している。

by shingen1948 | 2006-12-19 20:21 | ☆ 教育話題 | Comments(0)