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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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懐メロ聴取 ~LP【TOKYO SPECIAL(笠井紀美子)】―(B―4)「待ってて(Laid Back Mad or Mellow)」

 先に、このアルバムの(A―1)「バイブレーション(love celebration)」が元々はリンダ・キャリエールという女性シンガーに提供されたものだったらしい事についてふれた。確認を進めると、(B―4)「待っててティク・ミー(Laid Back Mad or Mellow)」も同じ経緯の曲であるようだ。この事情についてもう少し詳しく記す。

 19770代の後半に、YMOの一員としても有名だという細野晴臣氏が海外の女性アーティストをプロデュースしてデビューさせようという計画したという。この時にアメリカのオーディションで選ばれた女性アーティスト がLINDA CARRIERE(リンダ・キャリエール) なのだとか。
 このデビューにあたって、細野氏が4曲、吉田達郎氏が2曲、吉田美奈子氏が2曲、佐藤博氏・矢野顕子氏が1曲ずつ楽曲を提供したのだそうだ。そして、その作詞については全曲ともニューヨーク・タイムスの記者であるJAMES RAGAN が担当したのだという。
 
 この時の演奏memberの情報をいろいろ確認して重ねてみると、以下のような豪華なメンバーが浮かび上がるようだ。
 pianoが坂本隆一氏、drumsが林立夫氏、bassが細野晴臣氏、keyboardsが佐藤博氏、guitar、percussion、Solina Vibeが山下達郎氏、saxが村岡健氏、guitarが鈴木茂氏、dramsが村上秀一氏、bassが高水健二氏、guitarがこのアルバムのColgenBand memberでもある松木恒秀氏、Percussionもこのアルバムのmemberの一人浜口茂外氏、chorusが山下達郎&吉田美奈子氏。
 そして、曲提供の一人として、今回整理している「Laid Back Mad or Mellow」の矢野顕子氏がかかわっているという事。

 ところが、1977年にこの企画自体がボツになり、リンダさんのデビュー取りやめになるとともに、楽曲もお蔵入りとなってしまったのだとか。
 そのお蔵入りになったLINDA CARRIERE(リンダ・キャリエール)氏が歌う両方の曲とも、確認することができる。

 そのお蔵入りになった事情についてだが、専門家と称する方々やかかわった方々がいろいろと説明する情報を見る。ただ、素人目には、よい企画と売れる企画は別物と見た方が分かりやすい。
 日本のいろいろな分野の優れた楽曲を翻訳に長けたアメリカの方が作詞し、それに合う歌い手を発掘して製作されたものが、当時の英語圏の中でスムーズに受け入れられるものかどうかということでの挫折ではなかったかと思うが、どうだろうか。
 このアルバムの最初の「バイブレーション(love celebration)」と、最後の「待っててティク・ミー(Laid Back Mad or Mellow)」は、その時の優れた楽曲ということでの採用なのだろうと思う。

 この見え方で出来事を眺めてみると、優れた企画楽曲であるのに日本で受け入れがたいハードルとなるのは全曲が英語翻訳ということになる。それで、このアルバムは、全曲が安井かずみ氏による日本語の作詞でないのかなという素人の見え方はどうだろうか。

 なお、矢野顕子氏はこの曲を「ト・キ・メ・キ」に「TWO ON THE STAGE」として収録しているようで、これも確認できる。

 英語にも疎いので題も確認しておく。
 Laid Backは、直訳では「後ろによりかかった」という意らしいが、くつろぎに近い意味でカジュアルな表現として使われるらしい。
 Mad or Mellowの意とあわせると、その姿勢でいるのは、怒っているの、それとも、リラックスしているのという位の直訳の意だろうか。
by shingen1948 | 2019-10-15 09:18 | ☆ 懐メロ聴取記録 | Comments(0)