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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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和算散策余談③

 割り算九九の確認は中途だが、何となくこんな感じだろうということが分かった。思い出の確認が目的だ。これ以上深入りするつもりはない。ここまでにする。
 ただ、確認の資料とした「塵劫記」は、江戸時代のベストセラーで、ロングセラーだったとのことなので、パラパラとページをめくって全体を眺めてみた。

 今回は、割り算九九とそれに関連した算盤の運珠法を図で示されたところを中心に見ていたが、その前には、命数法、単位、掛け算九九等数学の基本的な事柄が記されている。
 次には、日常的な身近な題材と関連させた問題の解法が取り扱われているらしいことが分かる。
 ただ、版木印刷を読み慣れてないので、よくわからないところがある。時々図入り問題があって、興味は持ち直す。

 いくつかの解説書との照らし合わせで、その内容を想像する。
 問題は、解説によれば、初めは日常的な題材として、売買の事、杉算の事、銭売買の事、銀両替の事等々とのかかわりなのだとか。
 次に、身近な題材で平方根、立方根、相似、勾配、求積、測量にかかわる問題が並んでいるという。
 更に、興味を引くような問題として、ねずみ算、からす算などが続くとのことだ。

 この解説で成程と思ったのは、徹底して実用的であることが「塵劫記」の大きな魅力という部分だ。その後の改訂版でも、収録した問題には明確な順番の規則性があるわけではなく、徹底して読者を飽きさせない多様な問題と工夫が盛り込まれているとのことだ。

 現在の系統性の強い数理の教育は、分かる喜びを得させるために易から難へ配列することを基本とすることに疑いをはさめない。
 その視点でみれば、「塵劫記」の問題は、粗削りであり、乱暴であるということになるのだろう。 しかし、徹底した実用性のある問題、飽きさせない多様な楽しみのある問題は、それを乗り越えようとする意欲を引き出し、かえって解く喜びが増すという指摘にも見えるという事だ。
 こちら側の視点に立てば、現在良しとする易から難への配列は、問題のための問題であったり、面白みのない問題であったりしないかという指摘になるということでもある。

 高等数学教育を得意とする方の中には、小学校算数で難解とされるつるかめ算などは連立方程式で簡単に解けるものなので、こういう問題は無駄だとしたりする方もいらっしゃる。そこまで言わないまでも、方程式を使うといかに問題を簡単に解くことができるかを実感させるための準備としての有用性しかないという見方をする方は多い。
 しかし、この見方だけが正しいということではないということを示唆しているようにも思えるということだ。
by shingen1948 | 2018-11-25 11:47 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)