人気ブログランキング | 話題のタグを見る

地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

和算「最上流宗統派の系譜」から~明斎先生(丹治庄作)碑③

 多少和算についての予備知識がないと分かった気になれないのはこの部分だ。
和算「最上流宗統派の系譜」から~明斎先生(丹治庄作)碑③_a0087378_1413639.jpg
即是原晝穿受廻鈎転尽垂也以究乎数術之奥旨於是編算法天生法算
法圓線術算法環楕円算法廻題集算法転題算法称平術算法円理詳解算法
圓理極数算法垂弧術算法歴代集算法尖圓解等五百余巻以悉発其秘而伝
之門生其恵後進裨當世者不亦大乎洋算亦善代数術且通微分積分之法也

 ※まずは、「円理は八題有り」ということ。
 (その8題が)原、截、書、穿、受、廻、鉤、転、是れなり。
 原は象形を質して、円象玉類の諸形は、これを原題と謂う。原題の如く原形これを截分するは、これを截題と謂う。原形を異形に書くは、これを書題と謂う。原形を異形に穿つは、これを穿題と謂う。照形は其の光、別形に受くは、これを受題と謂う。糸を周らす内容形に及び筆文を挟みこれを廻すは、これを廻題と謂う。糸を以て垂形に鉤すは、これを鉤題と謂う。形を列し其の周に形を附し、又、其の周に形を附しこれを転距するは、これを転題と謂う。
 ※算法天生法
 最上流の祖会田安明氏が、代数の記法を分数の分母にも未知数を許すように改良して天生法と名付けたもの。これを元に楕円や円の幾何学的研究、有限級数、連分数展開などに著しい業績を残したのだとか。
 文化7年(1810年)に刊行された彼の著作 『算法天生法指南』 には、たくさんの公式が例題とともに系統的に記述されているという。

 ※算法の意を確認するのに、知りたい語に算法とつけると和算での意に辿り着きやすい。
 ※算法円線術=円線一致術?
 算変法は今日の反転法に相当する。これは〈円線一致術〉ともいわれる。長谷川の変形法や極形法にヒントをえた方法であるという文をみる。
 ※環楕円
 「算法楕円解」 によれば, トーラスを回転軸の上方から見た図を「類楕円」または「環楕円」と和算では呼んでいるという文をみる。
 ※算法称平術=重心を考える問題
 ※算法垂弧術
 「御製暦象考成上編巻三」に弧三角形下、斜弧三角形作垂弧法とあるのを見る。
 ※尖側円尖楕円
 尖長円 円環体(立環、うき袋)を平面できった時の図。尖長 立 円・回転楕円体の長径の一方の端を尖らせるようにしてできた形、らっきょうのような立体という解説をみる。
 ※極載
 極も載も漢字文化圏における数の単位の一つ。
 一、万、億、兆、京の次が垓(がい)といい、続いて杼(じょ)、穣(じょう)、溝(こう)、澗(かん)、正(せい)、載(さい)、極(ごく)と続く。

 当方はそれほど詳細に知りたいという事ではないので立ち止まらないが、結構、具体的な題や解法の情報としても流れている。
 なお、最後の行にかかわって以下の意を確認した。
 ※悉=ことごとく、すっかり、裨=おぎなう助け
by shingen1948 | 2018-09-26 14:07 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)