地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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熊阪台州氏(その2)43~高子山の「高子二十境」④

 今回の散策で、「将帰阪」とされる付近に丹露盤に向かう道筋を案内する標柱をみつけたのだが、これは偶然ではない。
a0087378_9531481.jpg ここに来るたびに、山裾の西側から南側にかけて眺めまわしていたのだ。それは、山頂から南に向かう嶺に沿った道筋が、どこに向かうのかなぁと思って探っていたところがあるのだ。
 最初に山頂の岩場である丹露盤を目指したのは八幡神社脇からだが、その時に、山頂から尾根筋を走る道筋の行方が気になっていたのだ。
 その地点を探ろうとするのは、散歩人の習性だが、今回はそれが案内されていたということだ。
 その山頂から南に向かう嶺に沿った道筋が「長嘯嶺」のイメージと重なるらしい。

 高子山の「高子二十境」の岩場を復習すると、一番「丹露盤」が山頂の岩場であり、二番「玉兎巌」がその山頂の丹露盤の東側の岩場であり、四番「龍脊巌」が高子山の西稜線の岩場ということのようだ。
 その事を頭において、三番「長嘯嶺」はどこかと考えれば、山頂の一番「丹露盤」と四番「龍脊巌」の岩場の間を結ぶ嶺道の道筋という事になるのではないのかなと思うのだ。

 その「長嘯嶺」の「長嘯」は、辞書的には「声を長くひいて詩歌を吟じること」とのことだ。
 「伊達の香り」の「二十境の漢詩鑑賞」では、熊阪覇陵氏の長嘯嶺の五言絶句に、次のような釈文とその解釈を紹介している。

 長嘯嶺  熊阪覇陵

 嶺頭長嘯し罷て         嶺の頂上で長嘯しおえると
 却て蘇門の岑を憶う       隠者たちが棲むという蘇門嶺を思い出した
 半嶺にして重て長嘯すれば    中腹に下って 再び長嘯すると
 自ずから鸞鳳の音を成す     自ずから鸞鳳の鳴き声のような音になった

 ※蘇門嶺は隠者の孫登が住むという山。
 ※鸞鳳は伝説上のめでたい神鳥。
 ※七賢人の一人の阮籍があるとき孫登を訪ねて蘇門嶺に登ったとき、いろいろと問答した。しかし相手にされず、頂上で長嘯したのち、山を下りた。その途中に孫登の長嘯する声を聞こえてきた。隠者とはこういうものだという古事を踏まえている。

 ここを散策するたびに山頂から南に向かう嶺に沿った道筋が気になって、山裾の西側から南側にかけて眺めまわしていたのだが、それが結果的には長嘯嶺の散策になっていたということのようだ。
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by shingen1948 | 2018-05-08 09:55 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)