地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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熊阪台州氏(その2)28~「曳尾堂」⑫

 福島で散策している者にとっては、村山地方漆山の大地主半沢久次郎氏所蔵「曳尾堂文庫」は、熊阪氏の書庫「曵尾堂」から引き継がれたものと認識するのが当然だと思っている。
 ところが、地元山形ではこの繋がりの認識には出会わない。これが、地元山形の情報を確認していて気になったことの一つだ。
 それで、この繋がりの有無にちょっと自信を失い、その確認をしていて見つけたのが「曳尾堂図書印」「半澤文庫」「邦之印」「□彦」の印記のある「文變」という書籍の存在だ。

 その書籍は、現在九州大学附属図書館雅族文庫所蔵とのことだ。その陰影は見ないが、この「文變」の注記にその印記が記されているようなのだ。
 恐らく「曳尾堂図書印」「半澤文庫」蔵書印は、今までに確認してきた情報と変わりないないと思われる。注目は、「邦之印」「□彦」の墨記があるという部分だ。
 熊阪三代の覇陵の子台州の通称が邦のはずだ。それで、「邦之印」は台州氏の印であることを表しているのではないのかなと思うのだ。ちなみに、その台州の子盤谷氏の通称は秀のはずだ。
 更に、もう一つ、台州氏には子彦の別称もあるはずなのだ。ここで、「□彦」の墨書は、台州氏の別称「子彦」なのではないのかなと想像するのだ。
 つまりは、どちらも台州氏の所有を意味しているのではないかと思うのだ。

 そこに、「曳尾堂図書印」「半澤文庫」蔵書印もあるわけだから、この書籍は、熊阪氏から半沢氏に譲られた書庫「曵尾堂」文庫の書籍であることの確からしさが高いと思うのだ。
 この書籍には、見返し及び版心下に「琴月所蔵」とあるそうなので、半沢文庫からは、その「琴月」氏を経由して、現有者である九州大学附属図書館雅族文庫所蔵となったのではないかなと勝手に推測する。

 なお、この確認の過程で、関西大学図書館所蔵石湖先生詩鈔 6巻注記の印記に、「曳尾堂図書印」「半澤文庫」とあるという情報も見つけた。

 地元山形の情報を確認していて気になったことがもう一つある。
 半沢家の零落に伴うその邸宅を公的機関が所有するのに、「曵尾堂」について全く認識していないらしいということだ。
 そこには、昭和4年に小川琢治博士のた山形の「曵尾堂」文庫調査で「經史集に渉っているので、學者の研鑚に利用される便宜は公立図書館より多い」とされているにも関わらずという意味合いもある。
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by shingen1948 | 2018-03-19 17:50 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)