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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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森鴎外と福島25

 まだ「渋江抽斎」を一つの作品と読めていない。作品を眺め回して、その全体をつかもうとしている段階だ。

 鴎外氏の「渋江抽斎」の調査経緯が説明されるのは、その3からその12までだが、まずは、鴎外氏が「渋江抽斎」を知った経緯が説明される。その内容は、「渋江抽斎」氏の性癖と自らのフェチとの同一化という文学的な意義も兼ねているのかなと思っている。

 次には、渋江抽斎の詳細を知る人に出会い、その時代にまだご存命の抽斎氏のご家族に辿り着く。 その聞き取りや墓誌調査などから、抽斎氏の系図的な事や父や母そして親戚などが紹介されるという風に話はすすむようだ。
 当然、その交友関係者も明らかになっていく。その12の後半で、その交友者の概要が次のように紹介される。
 抽斎の経学の師には、先ず市野迷庵がある。次は刈谷である。医学の師には伊沢蘭軒がある。次は抽斎が特に痘科を学んだ池田京水である。それから抽斎が交わった年長者は随分多い。儒者または国学者には安積艮斎(ごんさい)、小嶋成斎、岡本况斎、海保漁村、医家には多紀の本末両家、就中(なかんずく)、茝庭(してい)、伊沢蘭軒の長子榛軒(しんけん)がいる。それから芸術家及び芸術批評家に谷文晁(ぶんちょう)、長島五郎作、石塚重兵衛がいる。これらの人は皆社会の諸方面にいて、抽斎の世に出づるを待ち受けていたようなものである。

 その13からは、それらの人々が紹介される。
 まずは、抽斎氏の師が紹介される。
 その最初が経学関係者の市野迷庵氏と刈谷棭斎(えきさい)氏、その次に医学関係者の伊藤蘭軒氏と池田京水氏とそのかかわりがその20まで紹介される。
 その後半から安積艮斎(ごんさい)氏、小嶋成斎氏などの抽斎氏の先輩にあたる国学者の方々が紹介される。その20には、その続きで岡本况斎氏、海保漁村氏が紹介され、その次に、医師の年長者と仲間が紹介される。
 其の後、抽斎氏の動向に絡みながら、長島五郎作氏、石塚重兵衛氏、谷文晁(ぶんちょう)氏、寿阿弥氏などの芸術家も登場し、更に、石塚豊芥子氏、森枳園氏などの友や門弟なども紹介されていく。

 この「渋江抽斎」を作品として読むのには、作品の初っ端から漢詩が出てくることと共に、これ等の人々や当時の文化に疎いことも壁になっている。
 ゆっくり確認しながら壁を低くしていくことで、いつか作品として読めるようになるのかなと思っている。
by shingen1948 | 2017-02-02 09:43 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)