福島の鉱山②~信夫地方の鉱山「大笹生鉱山」
2016年 06月 11日
その次に紹介される鉱山が大笹生鉱山だ。
散歩資料では、この鉱山は江戸時代の鉱山として紹介されることが多いのだが、ここで紹介されるのは昭和の時代の話だ。
大笹生鉱山の位置は、「福島市の西方約10㎞信夫郡大笹生村折戸の西方」と紹介される。昨日整理の台山鉱山の南西方向だ。その鉱床は第三期砂岩、頁岩、凝灰岩中を貫き、巾0.6~0.9m、南に傾斜する鉱脈なそうなので、鉱脈的にかかわっているということではなさそうだ。
ここには、往時の旧坑内及び露天掘の跡があるとの紹介だが、これがその跡の一部なのだろうと思われる。
ここは、昭和の始め採掘精錬されたとのことで、近年も精錬所の施設が稼働していたことを伺わせる。ただ、この鉱脈の下部は硫化物に富んで銅鉱となっていたということだが、散歩人としては、そこから別なことを読み取っている。
金山・銀山・銅山を不連続的なものと受け取っているところがあるのだが、取れる鉱石は、その状態の変化であり、連続的に捉えるべきものということのようだということだ。
なお、この大笹生鉱山との関係は不明だが、大笹生の袖ケ沢には大正2年富田要之助氏が着手した「袖ケ澤鉱山」という金銀銅山もあったのだとか。国道13号線の板谷大橋が架かるのはこの袖ケ沢を超えるための橋だ。「袖ケ澤鉱山」は、その上流部にあるダム付近かなと勝手に想像する。ここは沢を挟んだ北側は大笹生だが、南側は山形県米沢市板谷ということになる。地図を眺めてみると、山形県側の近くにカネヨ石鹸という工場が見える。白土利用のクレンザーかなと勝手な想像?