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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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信夫山散歩情報の確かめ~信夫山の魅力と聖性の維持

 散歩資料の一つとして「信夫山めぐり【梅宮茂著】」を活用させていただくと、信夫羽黒山修験を中心とした山岳仏教の修業の場としての歴史の重さを感じながら散策することになる。その結果、古代から神が宿る神聖な山と崇められてきたという聖性が信夫山の魅力の一つと感じるようになる。
 「信夫山めぐり」では、その聖性の崩壊にかかわる具体例の一つとして、三の鳥居の上の行場の岩盤破壊を挙げている。
 ここは、歩行もできないほどの奇石怪石が重なる山内第一の難所だったとのことだ。この山中最難所と言われる岩盤が露出する険阻な坂が、最も神聖な聖域とされたという。
 荒行者はここを結界の行場とし、手前の三の鳥居の平場で古いわらじを捨てて裸足になって、六根清浄を唱え、錫杖をならしてこの岩石によじ登り、法螺貝を吹き最多角念珠をもみ呪文を唱えたということだ。

 確かに今でも雰囲気のある岩場ではあるが、「歩行もできないほどの奇石怪石が重なる山内第一の難所」と形容されるほどの岩場ではない。それは、わらじの巨大化と観光行政のために、ダイナマイトで一切を破壊し平準化したとのことだった。
 このことは、修験の場としての聖性の破壊であると同時に、神秘性の破壊でもあったようだ。
 信夫山には、「女人禁制羽山の女陰石」「羽黒水と風穴の秘儀」「血忌み・産忌みの産小屋」の三秘儀というのがあったそうだが、この破壊によって「羽黒水と風穴の秘儀」の話が消滅したということのようなのだ。

 先には「わらじの巨大化と観光行政のため」という目的のための平準化を批判的に整理したが、本当に着目しなければならないのは、環境の平準化が信夫山の聖性と神秘性の破壊につながるということの方なのだろうと思う。

 信夫山の魅力の一つはその聖性と神秘性だ。その信夫山の聖性と神秘性は、なかなか近づけないからこそ尊いという困難性の環境の維持によってもたらされるという側面を有するということだ。
 その一方で、信夫山の魅力を知るのには、この山に親しむ体験が必要なわけだが、そのために困難性を排除すれば、信夫山の聖性と神秘性の保持ができないということでもあるということだ。
by shingen1948 | 2016-05-03 09:33 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)