地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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信夫山散歩情報の確かめ~羽黒権現⑬

 三の平から寂光寺を経由した女坂の細道は、「羽黒水」・「膝かぶ石」の岩場に出るのだそうだ。
 そのすぐ上からは、石段になって山頂羽黒社境内に続くのだが、「信夫山めぐり【梅宮茂著】」では「膝かぶ石」の羽黒水にかかわる別説の話が、次の「寂光寺女坂と風穴」の項にまでも続く。

 「膝かぶ石」の上には「風穴」と称される岩の裂け目の穴があったそうだが、これも参道改修の名の破壊によって現在はなくなってしまったらしい。
 この風穴からの風は尊い風で、「膝かぶ石」で祈った女子が、この風穴の風にあたって清浄な体になるのだというのだ。
 この風穴からの風が尊いのは、羽黒権現の地下に羽黒山のオシロノモノ(惜しみか?)といわれる牛形の黄金があるそうなのだが、この「風穴」からの風は、その黄金から噴き出る風なのだそうだ。
 それで、この風穴は富貴思いのままの霊所とされているのだそうだ。
 「一統志」では、これを微風穴として「羽黒山宮殿下にあり、また一奇なり」との長文の説明があるとのことだが、その「一統志」の解説はまだ確認していない。
 また、享保の頃には、林子平の父岡村良通の随筆「寓意草」に、この風穴が以下のように江戸にも紹介されている名所ということのようだが、こちらもまだ確認はしていない。
 みちのく しのぶ山のうへに はぐろ権現の堂あり ゆかの下にちひさき穴あり 此の穴よりも つねに風ふきいづ
 「信夫山めぐり【梅宮茂著】」の跋では、「羽黒水」―「膝かぶ石」―「風穴」にかかわる別説の話を、御山の三秘儀の一つとして詳しく解説する。
 「跋」とは、要は「あとがき」であるが、現時点での情報提供が、後世の成果につながってほしいという著者の思い入れのようなものが感じられる。
 というのは、秘儀は本来語ってはいけないものであり、これを伝承することは難しいもののようなのだ。それを、できるだけ耳を傾けて拾い集めたというのも、後世にこれを資料とした成果を期待したらしいことが伺える。
 その三秘儀というのが、以下の3つらしい。
 ① 女人禁制羽山の女陰石
 ②  羽黒水と風穴の秘儀
 ③ 血忌み・産忌みの産小屋
 
 この①の「女人禁制羽山の女陰石」の話は、「東奥に於ける生殖器崇拝【姉崎正道博士】が詳しく、②の「羽黒水と風穴の秘儀」の話が、「羽黒水」―「膝かぶ石」―「風穴」にかかわる別説の話だが、こちらは「東奥異聞稿【鷹野弥三郎】」あるいは「福島市史稿【鷹野弥三郎】の「信夫山の崇拝」が詳しいとのことだ。
 ただ、「東奥に於ける生殖器崇拝」の話も、その資料提供は鷹野弥三郎氏とのことなので、①と②の秘儀については、鷹野氏が詳しいということのようだ。この方は、大正3年報知新聞特派員として、福島に在住された方とのことだ。

 なお、「風穴の秘儀」について、「信夫山めぐり【梅宮茂著】」本文では「『膝かぶ石』で祈った女子は、この風穴の風で清浄な体になる」との表現だったが、「跋」では「風穴の前にある『膝かぶ石』に片膝をつき、股間を風穴の冷風で清める」と更に具体的な表記にするとともに、他の秘儀についても詳しく、またその関連も考察されている。
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by shingen1948 | 2016-04-15 09:05 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)