再び仙台散歩②~「藤村広場」②~「潮音」の歌碑
2015年 03月 17日
「潮音」 島崎藤村文学には疎いので、漢字をあてがって歌詞にされたものを見て確認する。
わきてながるゝ やほじほの そこにいざよふ
うみの琴 しらべもふかし もゝかはの
よろづのなみを よびあつめ ときみちくれば
うらゝかに とほくきこゆる はるのしほのね
湧きて流るゝ 八百潮の 底にいざよふ「桃皮の」なら「しぶき」なそうだが、ここを「百川の」とする方も。「百川の」なら、「多くの川の」かな。
海の琴 調べも深し 桃皮の(百川とする方も)※しぶき
万の波を 呼び集め 時満ち来れば
麗らかに 遠く聞こゆる 春の潮の音
「裏二階へは遠く荒浜の方から海のなる音がよく聞こえて来ました。「若菜集」にある数々の旅情の詩は、あの海の音を聞きながら書いたものです。」とのことで、相応しい。
福島からみると仙台の気温は殆どが低く、特に夏の気温が低く、海洋性気候の傾向を感じていた。ただ、今までは駅から西側の散策だったので、太平洋に開けた台地というイメージと結びつかなかった。
今回の宮城野つつじヶ丘付近の散策では、開発が進む風景でしかなく、海の音が聞こえる訳でもない。それでも、東側が開ける風景を歩いた事で、イメージが少し深まったように感じるところもある。
なお、「潮音」の歌碑は、歌を刻んだプレートがX橋の欄干石材にはめ込まれたものだが、この橋の欄干石材に詩集『若菜集』の歌のプレートをはめ込んだ石碑は、青春通りとされる道筋でも見た。また、その事情らしき事が「藤村広場」の南東隅に建つ「塩釜神社」前の案内板に解説されている。