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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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愛宕山散歩36~小説家「宮本百合子文学碑」情報修正⑳

 「百合子といいざか」の返却日が迫っている。
 軽便鉄道と電気策動とのジョイント駅「十綱」とのかかわりで、近くの製糸工場を確認したいところだが、先に「百合子といいざか」にかかわる事を整理しておく。

 百合子氏は、2度目の宿泊先を丸正旅館とした。
 その積極的な理由については先に確認したところだが、消極的な理由として角屋を選ばなかったこともあることに気がついた。
 3月29日(木曜)の日記に、「おいくのところへ行く。あい変わらずいいひとである。帰りにズーッと新十綱橋の方から赤湯の方を廻ってくる。少し材料ができた」とある。この時も角屋旅館前を通ったと思われるが、そこでは何事もない。
 4月3日(火曜)の「午後に善義氏と菊池氏の子供とで穴原の奥の方へ行」った時の日記だ。ここに、角屋を選ばなかった消極的理由が見えるように思える。
 「行きに角屋の玄関の前を通ったら、川を越えた彼方にあの陰気な澱(よど)み声の若者の顔が見えた。自分が愉快そうに杖を振り歩いて行く様子を彼は何と思って居たか思ったら妙な心持がした」とある。
 多分、これが前回、「私(百合子氏)はまだ居たかったのに」突然帰る事になった事情と重なっているのだろうと思う。

 前回の12月19日(火曜)の日記に「お祖母さまが急にかえると迎っしゃる。あんなに金のことをいわれては、居るのもいやなので、かえることにする」とある。これとかかわるのだろうと思うのだ。
 戻ってからの記録だか、「角屋の息子は、耕花さんや大観や禾醒の画を持って居る。ああやって一生過ごす人かと思ったら、ほんとに気の毒になってきた。疎髭の生えた顎、震える唇を思うと、あの山の温泉で、一つの命が次第に弱って来て居る事が、まざまざと思い浮かべられる」とある。
 印象悪く帰るのだが、最初に角屋に着いた時の日記を確認すると、その予兆らしきものが読み取れる。

 宿に到着した12月15日(金曜)の日記だが、その設備については「角屋はかなり大きくてきれいだ。浴場が、心持よいのが嬉しい」と記す。ここの印象はよさそうだが、そこで働く人の印象が良くなかったことも確認できる。
 「部屋づきの女中は、秋田付近の女特有の、目尻の上がった、いかつい顔立ちである。キイキイした声を出す。番頭は扁平な赤面の男で、何か一言いっては目をつぶって頭をふる。感じの悪い男だ。前に流れて居る河が大きな音をたててながれている居るので、絶えず雨が降って居るような心持がする」と記す。

 与謝野晶子氏が飯坂温泉を訪れた時期は、作品を色紙に書いては商品として資金稼ぎをしていた時期でもある。勘ぐれば、角屋の息子の話と重なるような気もしてきたが、どうだろうか。
     ◇        ◇        ◇         ◇
 自分の集中力を測定したら、27分程度しか持たないことが分かっている。それで、部分読みを繰り返すことで、27分で全体を読み切ることができるように試みている。
 「百合子といいざか」も、そろそろ全体が読み切れそうになったかなと思えてきた。
Commented at 2015-02-19 10:34 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by shingen1948 at 2015-02-19 14:04
芋殻館のあった山だと思います。
館の役割としては、「大鳥城と芋殻館」で整理しています。
http://kazenoshin.exblog.jp/13672578/
「芋殻館の山」の見え方は、「芋殻館」で整理しました。
http://kazenoshin.exblog.jp/8286775/
愛宕山の北側の正三角錐に見える山です。ここに登ったことはありません。
by shingen1948 | 2015-02-19 08:29 | Comments(2)