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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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愛宕山散歩⑮~小説家「宮本百合子文学碑」⑥

 「禰宜様宮田」の第六章は、禰宜様宮田の息子の六の話で、その結末部に関わるのが「架空索道」だ。
 作品では、その「架空索道」にたどり着くための情景として、福島市内を見下ろす景色が活用される。そこに登場する「S山」は、信夫山のようだ。
a0087378_6501940.jpg これは、愛宕山から福島市内を見下ろした景色だが、木村氏によると、この描写のイメージは舘山の散策をもとにしているらしい。
 この描写とかかわる日記が以下のように紹介される。

 「かえりにズーツと新十綱橋の方から赤湯の方を廻って来る。少し材料が出来た。」(3月28日)
 「天王寺の沼を廻って、一度宿へかえってお茶をのんでから、又愛宕山に行って索道を見て来る。なかなか眺望がいい。」(3月29日)
 「館の山に行って見る。道は広いが、きのうの山よりは急で、少しぬかるので一寸した平地に出るまでには、息がきれて苦しかった。この山は日本海と太平洋と殆ど中央にあるのだそうで、この周囲の盆地が一目に見える。」(3月30日)
 「夜善義のところへ行って,方言をきいて来る。思ったより沢山の収マ入マがあった。」(4月6日)

 信夫山は、作品では次のように描写される。
 昔々ずうっと大昔、まだ人間が毛むくじゃらで、猫のような尻尾を持っていた時分に――部落の年寄達はきっとこういう言葉を使った。――巨人が退屈まぎれに造ったのだというS山を正面に、それから左右に拡がって次第次第に高く立派になっている山並みに囲まれた盆地のところどころには、緑色をたっぷり含ませた刷毛をシュッ、シュッ、シュッと二三度で出来上ったような森や林が横たわっている。
 「『禰宜様宮田』創作メモ」では、この信夫山と阿武隈川について以下のようにメモされている。
 http://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/4157_14752.html
 信夫山と阿武隈川
 昔ジャイアントが居た。
 退屈まぎれにもっこに土を一杯負うて歩き出した。が、今の信夫山のあるところまで来ると、ウンザリしてしまって、負うて居た泥をみんなあけた。ら、それが信夫山になって、そのジャイアントは、その山の頂上に腰をかけて、下をはるかにながれて居るあぶくま川で足を洗った。
 この伝承については、先に「信夫の里の狐達」の中で整理した。福島盆地の特徴的な高まり信夫山・一杯森・石ヶ森のできかたの伝承だ。
 http://kazenoshin.exblog.jp/17223485/
by shingen1948 | 2015-01-23 06:53 | ◎ 山歩きと温泉 | Comments(0)