愛宕山散歩⑥~「与謝野晶子」歌碑④
2015年 01月 13日
今回、その機会が与えられたのだとも思う。
それで気になったのが、飯坂で詠んだと思われる次の2首。
飯坂のはりがね橋にしづくしる吾妻の山の水いろの風
吾妻山うすく煙りて水色す摺上川の白きあなたに
特に、「吾妻の山の水いろの風」と「吾妻山うすく煙りて水色す」の部分で、飯坂の風景に、吾妻山が意識されて重ねられている事だ。
これは愛宕山から十綱橋を見ているのだが、どこかで吾妻山をも感じている。
愛宕山からは、飯坂の里が一望できるのだが、その遠景には吾妻山を感じて眺めているのだ。その中の愛宕山から見える十綱橋の風景だ。写真には写らないし、特に意識には上らないのだが、どこかで感じているのだ。
その感覚と風景が、詠まれた句にぴったりと重なっているように思えるのだ。
ただ、これは読み手としての話で、昌子氏がこの山に登ったかどうかは分からない。
なお、「吾妻山うすく煙りて」とあるのでその頃の吾妻山の噴煙が確認できないか確かめてみた。
すると、明治44年夏の噴煙の状態は確認できなかったが、明治26年から2年間一切経の噴火が断続的に続いていたらしい。その噴火で調査に向かった技師2人が噴石に当たって死亡しているという。
それからずっと噴煙があがっていたのだろうか。