台山山麓散歩⑧―上戸内薬師②
2014年 12月 12日
送り人の役割の一つは遺体の処理であり、もう一つが送られる人の魂の処理だろうか。更には、残された見送る者の喪失感と向き合うことや、現実的な事務処理が重くのしかかってくる。
本当は、残されて見送る者の喪失感を大切にしたいものだが、現実にはその他の事務処理に追われているうちに日々過ぎていくというのが実感だろうか。
さて、「笹谷大笹生地区の文化財」に、上戸内薬師堂には高さ約30㎝の上戸内薬師瑠璃光如来像と12体(現在は13体)の脇侍が安置されていると紹介される。
情報として今思いつくのは、先にちらりとふれたことのある旧安養寺地内の薬師堂が、信達十二薬師の第三番札所だとか。この地区の12薬師の一つでもあるだろうことは想像できそう。
「笹谷大笹生地区の文化財」では、この旧安養寺地内の「斗蔵観音」については三十三観音巡りとのかかわりで、本尊が木像千手観世音であることや信達板東十六番札所であることが解説される。その中に、薬師如来信仰についても以下のようにふれる。
「薬師堂の護持僧が堂宇を建立して観音をまつり、斗蔵山安養寺と称したものか、別説佐藤庄司の巡察 立寄所説か伝承でも詳らかでない。」
この「薬師堂の護持僧が堂宇を建立して観音をまつり」が「昔から福徳施与、衆病悉除の誓願仏として信仰が深い」とがつながっていて薬師如来信仰をも解説するものなのか、「斗蔵観音」の信仰として観音菩薩信仰として解説されるものなのかははっきりしないところもある。
なお、信達十二薬師については、その一番が信夫山の薬王寺なのだとか。こちらも他は知らない。
薬師如来信仰にかかわる数のこだわりは12なのかな。
「信達十二薬師」・「旧上下大笹生12薬師」・「薬師十二大願」等々。上戸内薬師の脇侍は十三体安置されるようだが、これも十二体とされるらしい。