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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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二本松裏街道⑧―天皇陛下御歌碑の地への立ち寄り②

a0087378_14285020.jpg この南側に見える風景が、天然記念物 赤井谷地湿原なのだと思う。ただ、ここから眺めてもその素晴らしさが分かるわけではない。

 古典的な芸能を楽しむには、それなりの素養であって、それがない者にとっては楽しくもなんともないのだが、それと似ている。
 ここから眺めて見える風景は、ただの枯れ野原でしかない。ここに豊かさを感じるのに必要な最低限の知識を探す。

 まずは、昭和天皇・皇后両陛下は、「ホロムイチゴやホロムイソウをお探しになって観察」されたとの事だ。案内は、お探しになる心持を知っているということが前提になっている。
 しかし、当方はそれを知らないので、確認する必要がある。

 亜寒帯の植物群について簡単な予備知識が必要なようだ。
 氷河期に日本列島に北方から侵入した亜寒帯の植物群は、日本列島が温暖化するのに伴って消滅していくのだが、その中で細々と生き延びている植物種群の存在があるとのこと。
 例えば、ミズバショウの仲間「ヒメカイユ」、ヤナギの仲間「ケショウヤナギ」がそうなそうで、これらが、千島列島、サハリン、シベリアにつらなる分布になっているという。
 そんな植物種群の一つであるキイチゴの仲間「ホロムイチゴ」ということらしい。

 「独立行政法人 森林総合研究所」のホームページの「自然探訪2010年10月 ホロムイイチゴ」の項に、その観点からこの「ホロムイチゴ」が紹介されているのを見つけた。
 http://www.ffpri.affrc.go.jp/snap/2010/10-rubus-chamaemorus-l.html
 このホロムイチゴの名称だが、これは北海道の岩見沢市郊外の幌内地域で発見されたことからつけられたとのこと。この草木性キイチゴは、かつて北海道の泥炭地(腐ったミズゴケ類が充分に分解されずに堆積した湿地)に広く分布していたとのこと。
 その分布は、主要な自生地である北海道でも、この泥炭地が土地開発によって急速に改変、消滅し、現在ではごく限られた生育場所に存在するのみということのようだ。
 そのホロムイチゴは、隔離的に栗駒山、吾妻連峰、そして、この赤井谷地湿原にも分布していたのだが、ここ赤井谷地湿原がホロムイチゴ日本分布の南限ということのようだ。

 両陛下がホロムイチゴをこの赤井谷地湿原で見た喜びを詠ったことが案内される。
 ここに、これらの事情を頭においてこの喜びを想像すれば、主要な自生地である北海道でも消滅の危機にあるそのホロムイチゴを、その南限の地であるこの赤井谷地湿原で見ることができたという奥の深い喜びである事が分かるということかな。
by shingen1948 | 2014-09-09 14:35 | ☆ 環境話題 | Comments(0)