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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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「小さいおうち」視聴記録

 福島フォーラムで視聴する。 [1/25(土)公開]
 「ちいさいおうち」は、別冊文芸春秋に連載された中島京子氏のベストセラー小説で、直木賞を受賞した作品の映画化とのこと。
 元女中のタキが、かつて奉公していた東京郊外の赤い屋根のちいさいおうちの平井家を顧みる回顧禄の中で、そこで起こった奥様の密やかな恋愛事件をめぐって、このままでは一家崩壊すると案じるタキとの微妙な心理が描かれるとのことだが、原作は読んでない。
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 映画では、その赤い屋根の小さなおうちに奉公していたタキが、大学ノートに自叙伝に綴り、それを介したタキにつながる青年との交流という設定を通して、昭和と平成の二つの時代が描き出されるという構成。
 モダンな「赤い三角屋根のちいさいおうち」は、その昭和の時代のモダン文化の香りを描きだす。
 扉や窓にはめ込まれたステンドグラスや蓄音器、そこから流れる音楽から、小物まで、東京の中流社会の庶民のおしゃれな生活に溶け込んだ流行の雰囲気が醸し出される。
 そんなおうちで、タキは玩具会社に勤める主の雅樹と優しい奥様の時子、ぼっちゃまとの宝物のような日々を送る。そんな生活の中で、主の会社の社員をめぐる奥様の密やかな恋愛事件も綴られる。

 しかし、今の時代からみれば、その時代は昭和初期から次第に戦況が悪化してやがて第二次世界大戦にむかう時代でもある。これを、その「東京の中流社会の庶民のおしゃれな生活」の旦那様の食卓での会話や来客とのよもやま話を通して描かれる。
 日中戦争などは、平井家での年始に、会社の社長と社員たちが集まった金儲けの話として盛り上がる。
 やがて始まる戦争へと向かう先行きの見えない足音をどこかで気付いてはいるはずだが、表面上は好景気に湧く華やかな日々と重なっていて、深刻さは埋没している。そんな現在にも通じる時代感のようなものが、大学ノートの自叙伝を介したタキと青年との会話から意識させられる。

 残された秘密は青年がひもといていくことになるのだが、タキのその先の真意は視聴する者にゆだねられるが、頭に残るのは、「生きすぎた」という言葉の余韻。

 配役を気にするようになってきたのは最近の事。
 時子を演じるのは、松たか子。その夫・雅樹には、片岡孝太郎。平成に生きる現在のタキには、倍賞千恵子。そして、時子の恋の相手・板倉役には吉岡秀隆。
 昭和のタキを演じるのは、黒木華。そして、タキにつながる青年役は「東京家族」から続けての妻夫木聡。その他、本来主役級の方がちょいと顔を見せるという豪華で多彩なキャストの雰囲気は昨年視聴した「東京家族」映画視聴を思い出させる。

 【フォーラム福島】作品紹介
 上映時間 2h16(2013年/日本映画)
 監   督  山田洋次  原作:中島京子
 出 演 者 松たか子、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子、橋爪功、吉行和子

 「家族の絆」を描き続けてきた山田監督が、今作で初めて「家族の秘密」に迫る。
 家族の温かさを見つめてきたその目で、更に深く人間の心の奥底に分け入り、その隠された裏側までも描きだそうとする。
 そんな監督の情熱から生まれたかつてない意欲作が、ついに完成した。

 「ちいさなおうち」パンフより
 <小さいおうちに封印された秘密が、60年の時を経て紐解かれるー切なくもミステリアスな物語>
 昭和初期、東京郊外に佇む赤い屋根の家に奉公する女中タキが見た、ある「恋愛事件」。その時、タキが封印した「秘密」が、60年の時を経た平成の今、タキにつながる青年の手で紐解かれていく。真相に近づくカギは、大学ノートに綴られたタキの自叙伝と、一通の宛名のない未開封の手紙にあった。時代が許さなかった恋愛事件の主役である女主人・時子の思いがけない運命と、彼女を慕い続けたタキ。それぞれが胸に秘めた切ない想いとはー?
 小さく可愛らしいこの家で、いったい何が起きたのか? 昭和と平成を行き来しながら、謎を解くミステリアスな展開から眼が離せない。さらに、揺れ動く女たちの心が胸をしめつけるー。

by shingen1948 | 2014-01-25 06:00 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)