大河ドラマ視聴「八重の桜」~ 第36話 「同志の誓い」
2013年 09月 14日
その一つが、襄氏が妻として望む女性像。
人間としての尊厳に目覚めたり、独立心を示したりするタイプの女性という西洋の暮らしの中で培われた女性像。しかし、当時の日本では女性らしからぬ姿だ。当時の女性の美徳は、儒教の教えのもと、自己主張をせず、夫に従順な姿だ。
このことにかかわってよく紹介されるのが、襄氏がアメリカの母と慕うハーディー夫人に宛てた手紙にかかれた八重さんの評価。
「彼女は決して美人ではありません。しかし、私が彼女について知っているのは、美しい行いをする人だということです。私にはそれで十分です」。今回の大河は、その「美しい行いをする人」を、「ハンサム・ウーマン」という言葉に置き換えてキャチコピーにしたということのようだ。
襄氏が父親に書いた手紙にも、「日本の女性の如くなき女性」と表現し、当時の女性とは異なり、西洋的な考えを持った理想の女性であると知らせているという別情報もある。
もう一つが、現実的な結婚相手の条件として、キリスト教に理解を示す女性であることだ。キリスト教を布教させたいということなら、結婚相手がクリスチャンでありたいと考えるかな。それなら、なおさらの事、仏教色の強い京都では、更に高いハードルとなる。
今話のドラマで描かれたのは、こちらからのアプローチ。
明治8年(1875)11月襄氏と八重さんの婚約を知り、槇村氏は、実力行使で新英学校及び女紅場の八重さんを解雇する。 実際には、八重さんもキリスト教の教えを説くようになっていて、それを嫌う生徒の親が、退学させようという動きもあったのが影響しているということもあったらしい。
更には、槇村氏は、家主の高松に圧力をかけ、既に契約が成立し契約金も支払っていた仮校舎の契約解除を働きかける。これも、学校では聖書を教えない。自宅で教えるのは構わない。修身学なら、学校で教えてもよいという条件で解決が図られる。
そんな状況下で、八重さんは、明治9年(1876)1月2日京都御苑内の宣教師ディヴィス邸で、プロテスタント式の洗礼を受けて、京都で初めての洗礼を受けた人となる。
そして、翌3日には、京都で初のキリスト教式結婚式を挙げたのだとか。
出席者は、八重さんの家族と同志社の仲間たち40名程の極めて質素な結婚式を挙げたとのだとか。この時、襄氏は32才、八重さんは30才。これから、八重さんにとっては、14年ほどの第2の結婚生活が始まる。
ドラマの概要については、エキサイト「大河ドラマ 八重の桜」のページから、第36話「同志の誓い」の粗筋をお借りする。
http://tv.excite.co.jp/detail/nhk_taiga52/story_36.html
「同志の誓い」
襄(オダギリジョー)からの求婚を受け入れた八重(綾瀬はるか)だったが、そのことがきっかけで槇村(髙嶋政宏)は八重を女紅場から解雇しようとする。回避したければ、キリスト教に入信しないことを約束しろと迫る槇村に、八重は夫を裏切るわけにはいかないと言い切る。そして、教え子たちに後ろ髪を引かれながらも八重は女紅場を後にする。そして、襄はついに念願の同志社英学校開校の日を迎え、八重との結婚を果たす。