人気ブログランキング |

地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

信夫の里の狐達⑬~長次郎狐②

 長次郎狐の話は、狐が村人を困らせるのを救おうとした若者が、罰を受けたままで終わる。ここで終わっていいのだろうかと思ってしまうのが、多分、勇敢な若者でさえ、長次郎にはかなわずに頭の髪をとられてしまったということで完結しているのだと思う。
 地域に伝わる話の採録を試みた事があったが、辻褄が合わないなと感じたり、ここで終わっていいのだろうかと感じたりする事が多かった。多分、辻褄が合わないところは、記録する時に微調整されているのだろうが、結末はそのまま受け継ごうという意思が働くと思う。改変は最小に留めようという意思が働くのだと思うのだ。
a0087378_1823181.jpg
 その長次郎狐の霊力がこの岩場に封じ込めたのが、一杯森長次郎稲荷なのだと思う。
 加茂左衛門狐も、その霊力を石ヶ森の岩に封じ込められているが、こちらは封じ込めたのが、岡村の極楽院修行者の祈りであるとされる。
 加茂左衛門狐よりも、岡の極楽院修行者の祈りが勝るとも受け取れる。それに対して、誰が長次郎狐の霊力を閉じ込めたかは示されない。ともかく、ここは長次郎狐の霊力が閉じ込められた岩場ということが大切なのだと思う。

 【福島の民話(片平幸三)】第一集では、結末の落ち着きの悪さを「ごんぎつね」の童話風におさめる。
 長次郎はどんなもんだいと鼻をうごめかしていた時、お金持ちの家から葬式が出ました。長い長い行列でした。やがて、信夫山のお墓につきました。長次郎が伸びあがってみますと、お墓には白い木が2本立っていました。お金持ちは、娘と孫の御墓の前で泣いていました。月のいい晩でした。長次郎は細い道を通ってお墓の前にいきました。チンチロリン、チンチロリンとまつむしがないています。
「かわいそうなことをしたるつみもない人をこんなにしてしまって、……」
 長次郎は、はらはらと涙を流しました。
 いまはもういない、加茂左衛門やお山のごんぼうのことを思いだしました。
なんだか、みょうに淋しいのです。長次郎は、そのへんに咲いている彼岸花をとってお墓の前にたてました。
 月はこうこうと光っておりました。

by shingen1948 | 2013-03-10 18:27 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)