地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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信夫の里の狐達⑩~再び御山の御坊狐④

 町の方から見える御山は、その場所によってその見え方が違う。
 高い建物があるせいもあるが、そればかりではない。信夫山は、谷山を中心にくの字に折れている。そのために、見る場所によって陰になる部分があるのだ。
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 ところが、川寒からはそのくの字の内側から見る事になるので、御山全体が見通せる。立岩の高まり、熊野山、羽黒山、谷山、湯殿山、西養山の高まりまで見通す事ができる。
 その風景の中で、川寒の民家が、御山(信夫山)で断食参籠した御坊さんを世話し、その御坊さんがそこを拠点に、その民家の息子を連れて各地に修行と布教に旅立たれるという状況があるということだ。
 しかも、この御坊さんの実像は知らないが、言い伝えとしては修験者につきもののかなりの法力をお持ちの方と言う事になっているらしい。
 「松川に大洪水があった時、その水が引いたら川原にサケが沢山ひえあがっていた。村の百姓達はそれを運ぼうとした。ちょうど、そこを通りかかった和尚さんにも、運ぶのを手伝ってもらおうとしたら、なまぐさには手をかけられないと拒絶されたとか。それで、サケを川原の藤つるに結んで運ばせたとか。
 この和尚さん、川原に藤があるからこんな迷惑をするのだから、この藤をたやしてやるといって祈祷した。そうしたら、川原の藤は全部絶えてしまったとか」

 自分にとっての御山の御坊狐は、単なる民話の世界。
 だが、この法力を持つ御坊さんとかかわるこの地域の方々にとっての御山の御坊狐は、実在としての実感が伴っているのだろうなと想像する。
 御山の御坊狐が娘に化けて、馬糞を御餅の土産にして家人を騙した程度では、実在の坊様の法力と大差ない。それで、民話では、その家人が騙されるのを見ている男も実は騙されていたという話にしたのかな。この御坊狐の法力の方が一歩上をいくということが、聞く人を引き付ける工夫なのだろうか。
by shingen1948 | 2013-03-06 06:11 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)