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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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信夫の里の狐達⑨~再び御山の御坊狐②

 【福島の民話(片平幸三)】では、この後、ガサブどおりに近いごんぼうぎつねのほら穴に集まって、ごんぼうや長次郎ぎつねが化け方の自慢話をする。だが、加茂左衛門狐はきつねになったばかりだから、化け方の自慢はできなくて、魚とりの話ばかりするという設定だ。
 しかし、この付近を散策したことのあるものは、この加茂左衛門狐が、実際には相当に霊験あらたかな狐である事を知っている。その加茂左衛門狐が、新参者であるということにすることで、相対的にごんぼうや長次郎の化け方のすごさが強調されるという構成だ。
信夫の里の狐達⑨~再び御山の御坊狐②_a0087378_15324185.jpg
 さて、この話が展開される「ガサブどおり」は、その音からは「がさ藪」をイメージするが、当て字は「川寒」だ。「が(川)+さぶ(寒)」という当て方なのだろうと思う。
 この川寒集落付近を、飯坂古道が走っている。「ガサブどおり」とあるのは、この古道の徒歩道と馬道が合わさって、松川を越えたあたり古道を指しているのだろうと思う。
 この辺りの詳細な道筋の散策については、先に「揺すり出された風景⑰~今からおもえば69」で整理している。
 http://kazenoshin.exblog.jp/12804762/ 
 このときに気になって整理したのが、「金福寺跡」だが、今回気になるのが「川寒稲荷」かな。ただ、この稲荷、地図の表記などから集会所辺りかなと想像はしているが、この時の散策では見つけてはいない。
 ただ、今でこそ開発によって想像しにくくなっているが、この辺りは松川の河岸段丘になっていて、信夫狐が集まる「ガサブどおりに近いごんぼうぎつねのほら穴」があってもおかしくはない雰囲気はある。

 【福島の民話(片平幸三)】で先輩狐の権坊狐が、信夫山・一杯森・石ヶ森のでき方を解説するのも、この飯坂古道川寒通り近くの権坊狐穴という設定だ。
by shingen1948 | 2013-03-03 15:35 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)