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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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模擬原爆と福島③~模擬原爆投下と着弾情報②

模擬原爆と福島③~模擬原爆投下と着弾情報②_a0087378_4385843.jpg
 「福島の戦争展」の位置を示すために掲げられた地図の№14が、模擬原爆の渡利着弾地点だ。この地図、今は福島駅南側から№14地点にかけた範囲が、模擬原爆とかかわる地点に見える。
 そういう見方に変えると、先に確認した模擬原爆のもう一つの目的が見えてくる。

 模擬原爆投下は、「人類初の原爆投下を成功させるための投下訓練と、爆発後の放射線から逃げるための急旋回(急転、退避)の訓練」+「充分な殺傷」を目的としていたということのようだだった。
 その「充分な殺傷」だ。
 渡利着弾地点だけでは見えなかったのだが、これが見えてきているのではないかなと思うのだ。計画で、福島の目標地点に二つの工場が示されるが、それは道義的な名目のために目標を軍事工場に置いているだけ。
 この模擬原爆のもう一つの本来の目的に、充分な殺傷を確実に実行できることも想定しているらしいということだった。
 この事を頭に置いて地図と見比べる。

 福島での投下目標地点は、道義的な名目のための目標として、福島の北西隅に位置する福島製作所と福島高校南にあった品川製作所だ。
 福島投下予定機B29の2機は、7月20日テニアン島を1時20分に飛び立っている。そのうちの1機が、エンジントラブルで引き返す。それで、福島投下予定機B29の1機だけになる。
 これが、福島上空に現れるのだが、福島まで来たところで、曇りで目視投下が出来なかったとのことだ。それで、上空9000m【高度3万フィート】からレーダーで投下したということだった。
 その投下地点が、投下目標地点に近い福島駅の北側ではなく、南側だったということだ。
 
 目視ができない状態で、レーダーでの投下なのだから、そのセットは福島駅の北側にもできたはずだが、道義的な名目より本来の目的である「充分な殺傷」が頭にあれば、これはどちらでもよいことだったのだろう。
 もっと勘ぐれば、「充分な殺傷」を試すには福島駅の南側の方がよかったという判断も無かっただろうかとも思う。そういう視点で地図を見れば、ずれがなければ駅があり、多少のずれなら県庁付近がある。ここに着弾なら大成功だったのかなとも、……。

 実際には、目標から逸れて、渡利の水沼に着弾する。これが、先の確認の情報では、8時33分。これがどちら側の情報だったか記憶にはない。
 経過とかかわる情報を新聞報道からも拾えば、「午前8時3分に大型機1機が現れ、雲の上をしばらく旋回して北東に機首を向けた時に爆弾を1個投下した。」ということであり、「投下後、そのまま北東部から洋上に向かった。」という情報につながるのかな。
by shingen1948 | 2012-10-30 05:20 | ◎ 福島と戦争 | Comments(0)