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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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2012夏の頃~「今から思えば」の資料(つぶねた)を拾う⑮

 原発事故報道を通して感じたのは、情報は東京を中心とした関東圏の目線で発信されるということだ。健康にかかわる話題は、そこに、その目線の方々に安心を与える情報になるように配慮されるようだ。時として、目の前では棄民が行われているのではないかなと不信感がつのることがある。

 「<甲状腺検査>福島県外の子供と比較 内閣府方針【毎日新聞(2012/8/26)】」は、「子どもを健康に育てようと考えている人の思い」に焦点を当てた記事になっている。
http://mainichi.jp/select/news/20120826k0000e040108000c.html
 その記事によると、福島県は震災時に0~18歳だった県民を対象に、甲状腺超音波検査をしたが、小さな結節(しこり)やのう胞(液体がたまった袋のようなもの)があった子の保護者に対して検査結果の通知では、「2次検査の必要はありません」とあるだけで、保護者の不安が募っているとか。次回検査が約2年後とのことで、それまで待てないとセカンドオピニオンを求めて県外の病院を受診する人が続出しているということだ。
 この事について、福島県立医科大では、チェルノブイリ事故後に子供の甲状腺がんが増え始めたのが4~5年後だったことなどから「現時点で放射線の影響が出ることはない」と説明しているという。

 ここに、親と検査者の意識のギャップがあると思う。
 親は、低線量被ばくがかかわるかどうかを問題にしているのではなく、ただ異常の可能性が心配なのでしかないのだと思う。低線量被ばくが関与するのかどうかは二次的な課題でしかないのだと思う。それに対し、検査者(研究者)は、低線量被ばくがかかわる甲状腺異常かどうかを見極める事に重点を置いているように見える。
 検査者(研究者)は、被験者と医師の考え方にギャップがあることを認めて、謙虚に声を聞き、信頼関係を築きたいとしているとしているようだが、要は、眼の前の被験者を見ていないということだ。

 このキャップをみて思い出したのが、権力者の広報の据え方に対する違和感だった。
 重点が置かれているのは、パニックが全国に広まらないようにするという視点でしかないのではということだった。
 一番危機的な事態の中にいる人に対応した情報ではなく、この情報が東京を中心とした関東圏という都会にどう広まるかということに重点が置かれていたのではないかということだ。
 「直ちに健康に影響は及ぼすものではない」と繰り返すことで、都会に安心が広がったと思っている。

 常に、都会の親へどのような情報発信になるかへの配慮の構図が見え隠れするように思う。その視点で、福島医大山下俊一副学長のコメントをみる。
 放射線の影響をどう判断するのかという課題質問に対して、 「小さながんも見つかるだろうが、甲状腺がんは通常でも一定の頻度で発症する。結論の方向性が出るのは10年以上後になる。」とする。
 福島県の患者なら、通常の一定の頻度で発症したがんだろうが、放射線の影響のがんだろうが、医者に治療していただきたいと思うという単純な問題だと思うが、この眼の前の被験者よりも大切なことが最後に語られている。
 「日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。」とする。
 これで恐れているのは、訴訟の多発らしいことが分かる。そのことが、低線量被ばくがかかわる甲状腺異常かどうかを見極める事に重点を置く理由だとして語られる。
by shingen1948 | 2012-09-06 06:08 | ★ 季節便り | Comments(0)