映画視聴記録「第五福竜丸」②
2012年 06月 25日

今回みたいと思ったのは、晩年まで新たなテーマや表現の可能性に挑戦し続けた新藤兼人監督の作品の一つという観点だったが、福島フォーラムの上映の主旨は、「特集:映画から原発を考える」ということのようだ。
この事業は、先に見ない事を決めた「ベン・シャーンクロスメディア・アーティスト展」ともかかわっていて、その半券を提示すると700円で視聴できるという事のようだ。
この「特集:映画から原発を考える」は、昨年からの継続事業のようで、今回は、その11弾:「friends after3.11」・12弾:「プリピャチ」・13弾:「第4の革命」に続く14弾:「第五福竜丸」上映ということだったようだ。
その福島フォーラムパンフレットでは、この「第五福竜丸」の作品を以下のように紹介する。
昭和29年3月、南太平洋ビキニ環礁付近でマグロ漁船、第五福竜丸の乗組員たちは核実験による死の灰を浴びる。真っ黒な顔になって静岡に寄港して間もなく彼らの体は変調をきたし始め……。被爆の痛ましさと人々の善良さを対比させた、社会派映画の傑作
監 督 : 新藤兼人
出 演 : 宇野重吉/乙羽信子/小沢栄太郎
1959年日本映画1h50
その内容を、昨日整理したように、「事実の通りに撮るのだけれど、記録映画で撮れるわけじゃないから、シナリオを事実の通りに書いて、それを俳優でやるというドキュメンタリーに対する一つの試み」としてみると、監督の思いの表出を感じるのは、機関長の葬儀の場面で合唱がちらりと入る部分だけで、他は淡々と事実を記録する手法だ。この事で、かえって思いの重みを感じさせているように思う。
それから、この作品では、久しぶり懐かしい俳優の顔がみれたことも心に残る。特に、乙羽信子が若若しいのが印象的。家人などは、「愛妻記」を再読し始めた。