地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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「わが母の記」視聴記録

 震災以来、映画を観たいという欲求が喪失していた。
 散歩も、気分的には積極的にやりたいと思ったわけではない。日常を取り戻すために、とにかくできるだけ外に出かけようとしたものだ。それでも、最近になってようやく日常の感覚らしきものが伴ってきたといったところだ。
 その中で、季節の感覚が取り戻せてきているように感じるし、震災前に無意識に日常的に繰り返していたことが、思い出されてきたとも感じてきている。
 映画視聴に思い及んだのもその一環の心の動きだと思う。

 「わが母の記」は、井上靖の自伝的小説を映画化したもので、これをみたいと思ったのは、役所広司さんと樹木希林さんの共演ということもその要因だったような気がする。
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 中心となるのは、主人公である長男の息子の物語。
 主人公である作家洪作は、ずっと自分は母に捨てられたという想いを抱えていた。それは、子供の頃、父が台湾へ異動になった時に、自分だけが日本に居る親戚に預けられたからだ。それが、記憶が壊れて行く母を世話しているうちに、洪作は母と向きあえるようになっていく。
 壊れていく母もまた息子への愛を確かめていくのだが、その響き合いがいい。

 そのあたたかさの響き合いが、それを取り巻く家族も共鳴し合っている。
 壊れた母を支えようとする長男である主人公の洪作とその姉妹、主人公の洪作とその子である琴子やその姉妹、そして、母と孫としての琴子とのかかわり等々……。
 壊れた母の言動に振り回されながらも、家族はそれぞれに母を受け止めながら暮らしていくという家族の温かさの余韻に浸らせてくれる。

 それが、湯ケ島の実家の和室と山葵田、母親が行きたがった海岸、軽井沢の山等々の美しい風景の映像に包み込まれて展開する。
 そこに、作家の自宅とはこんな雰囲気なのかという実存感が加わって、じっくりと描かれる人間関係に納得する。

 もう一つ、どの方も演技を感じない自然さだが、特に樹木希林さんの母親は、その次元を超えているような感じだった。
【ウーマンエキサイトシネマ(映画)作品紹介】
 井上靖の自伝的小説を豪華キャストで映画化 
 昭和の文豪・井上靖が45年前に綴った自叙伝的小説『わが母の記~花の下・月の光・雪の面~』を、『クライマーズ・ハイ』の原田眞人監督が映画化。疎遠だったために息子への愛を必死に確かめようとする母と、母を理解して受け入れようとする息子の葛藤を、普遍的な家族の問題として描く。主演の役所広司を筆頭に、樹木希林、宮崎あおいら豪華キャストの共演で織りなされる親子の絆の物語に感動必至だ。
 <ストーリー>
 幼い頃実母・八重に育てられていなかった小説家の伊上洪作は、八重とは距離を置いて暮らしていた。しかし、父の死後、八重の暮らしが家族の問題となり、伊上は自身の幼少期の記憶と、八重の自分に対する思いに向き合うことを決め、母もまた薄れてゆく記憶の中で息子への愛を確かめようとする。
 <スタッフ・キャスト>
 監督脚本:原田眞人 、製作:石塚慶生、原作:井上靖、撮影:芦澤明子、美術:山崎秀満 、音楽:富貴晴美
 出演:役所広司、樹木希林、宮崎あおい、南果歩、キムラ緑子、ミムラ、菊池亜希子、三浦貴大、真野恵里菜、三國連太郎

 【福島フォーラム作品紹介】
 「わが母の記」2012年/日本映画
 上映時間1h58
 監督名:原田眞人
 出演者名:役所広司、樹木希林、宮崎あおい、三國連太郎、南果歩、キムラ緑子、ミムラ、菊池亜希子
 小説家の伊上洪作は幼少期両親と離れて育てられたことから母に捨てられたという想いを抱いて生きてきた。父が亡くなり残された母の暮らしが問題となり距離をおいてきた母と向きあうことになる。昭和の文豪井上靖の自伝的小説を豪華キャストで描く親子の絆の物語。

by shingen1948 | 2012-04-27 05:21 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)