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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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大河ドラマ「平清盛」視聴⑧~西行に視点をあてて地域の散策とつなぐ④

 平安の都人の詩心と信夫の里とのかかわりを確認する。
 信夫の里は、みだれる恋の心というイメージと重ねるとのこと。
 それは、古代奥州信夫の里では、乱れ模様の絹布を産した「信夫もじずり」に由来するとか。その染め方は、みだれ模様のある巨石の上に白絹を置き、草を摺って、模様をうつし出したとか。それで、模様が乱れたようであることとのかかわりらしい。
 「信夫もじずり」(忍摺)の奥州趣味の源融が、信夫の地名と捩摺の名を詩的レベルに高めた功労者だといい、後世、この歌が本歌になり、信夫やもじずりは、歌よみにとって必ず心得ているべき固有名詞になったとか。
   陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに
      乱れんと思ふわれならなくに     (「古今和歌集』「恋歌」四)
 <陸奥のしのぶもずりの乱れ模様のように、あなたならぬ誰かの求めのままに身も心もゆだねてしまう、そんなわたしではありません>
 江戸期いっぱいまでの教養人は、常識として、ここ「みちのくのしのぶ」からここの連想したものらしい。その意識の流れで、芭蕉は、この地に足を踏み入れるとか。
 ただ、修行が足りないのか、自分の感覚では、まだ言葉遊びの世界にしかみえていない。

 ドラマに設定される西行の奥州の旅と信夫の里に視点をあてる。
 西行は、出家後しばらくは京都の嵯峨や東山に草庵を結び、歌会へ出たり鞍馬寺で仏道の修行を行ったりしたとか。その後、旅の歌人として知られる能因法師の足跡を辿って奥州を旅したこととかかわるが、白河関、信夫の里、衣河など歌枕を訪ねつつ平泉より出羽にまで至ったというのが、ドラマとかかわる設定だろうか。

 「南奥(ふくしま)の古代通史(鈴木啓著)」では、「山家集」をもとに、この西行陸奥の旅の途中で、信夫の里に「やすらひて」いるのは、大鳥城逗留ではないかと想像を膨らませている。
 「東路やしのぶの里にやすらひてなこその関をこえぞわづらふ」

 なお、鈴木氏は、「しのぶと申すわたり、あらぬ世のことにおぼえてあはれなり。」の「あらぬ世のこと」を、先に整理した「平泉藤原氏と南奥武士団の成立」でいう佐藤氏の出現にかかわる平泉藤原氏を巻き込む「大庄司李春」と国司とのトラブルをイメージしているように見える。
 よくは分からないが、一般的には「この世のことでは無いような気がして」というのは、「昔、能因がたどった頃と同じ世のような気がして」というようなイメージと解釈するらしい。
by shingen1948 | 2012-04-17 05:20 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)