湧水の里の風景③~瀧清水神社
2012年 03月 25日
今月見かけたこの風景は、水源を傷つけてしまった謝罪の行為の継続と見てよいのだろうか。
放射性物質がまき散らされ、この水は故郷の大地から湧き出る水だと胸を張って言える状態にない。そんな状況の中でも、水脈を傷つけてしまったことに誠実に対処している姿なのだろうか。
あの時点では、明治天皇が「これは美味なり」と賞賛された由緒ある水であり、地域の人々が飲料水としてきたという誇りの水であり、それが大地から湧き出て恵まれる神秘さを持った水だった。
大笹生東部簡易水道の施設の脇に鎮座する瀧清水神社が見える。現在、近づくことはできないようだが、これが地域の人々が飲料水としてきたという誇りのシンボルのようだ。
瀧清水神社の社には水道通水記念日が刻まれ、その前に建つ「瀧清水神社」標柱の裏にも水道完成記念として、昭和23年11月20日が記されている。
この瀧清水を水源とする大笹生東部簡易水道に対する思いの強さが感じられた。
この簡易水道が地元の集落の水道として使用されてきたが、平成6年市の水道に切り替わるという経緯でも、この時点では、その誇りは残っていたという状況だった。
先の風景は、あの時点の感覚の継続として、今も対処されているという風景とみてもよいのだろうか。