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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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ヨウ素剤配布判断評価報道の微妙な変化~今から思えば(2012)の8

 【共同通信(03/05 )】は、備蓄済みの自治体の多くが、ヨウ素剤の配布に不安を持っている事を伝えている。
 ここで注目したのは、東京電力福島第1原発の事故当時のこの対応への評価の微妙な変化だ。
 「福島県の周辺自治体は備蓄していたが、政府から指針に基づく配布や服用の指示がなく、住民のほとんどに行き届かなかった。」という表現になっている。

 当初の報道では、大きくは「各地で観測されている放射線レベルでは健康には問題がないが、国と自治体の方針が一致せず、混乱が広がっている」とのことだった。
 当時、独自判断で安定ヨウ素剤を配布していたのは、同原発の20キロ・メートル圏内で避難指示が出ている富岡町、20~30キロ・メートル圏内で屋内退避になっているいわき市、圏外に位置する三春町とされた。そのうちの「三春町では、避難民だけではなく住民の服用も求めていた」としてその批判は強かった。
 19日以前の多くの報道は、その批判理由を、「国の指示が出てから配布することになっている」ことを挙げていた。
 事実として、「福島県が、三春町に回収を指示したが、町は住民はすでに服用しており、回収できないとしている」と報じ、その後段に、安定ヨウ素剤配布の国からの指示が出ていないことを挙げることで、読み手に、フライング気味だったことをイメージする報じ方だった。

 19日以降微妙に変化するのは、原子力安全・保安院が「16日朝に20キロ・メートル圏内からの避難者にヨウ素剤を投与するように県に指示した」と説明したからだ。この事に合わせて、県は指示を受け取った時点で、避難行動とのかかわりから間に合わず、放射線量としても問題がなかったので、県としての指示を見送ったとした。
 それでも、3月21日時点での報じられ方は、ヨウ素剤配布判断は「ヨウ素剤配布で混乱、誤った服用指示も【読売新聞社】」ということで、批判的だった。
 変化したのは批判理由だった「国の指示が出てから配布することになっている」ということが、「ヨウ素剤は医療関係者の立ち会いのもと、避難時に服用するのが原則」と変わる。
 ヨウ素剤配布判断は、この条件はクリアーしていて、この時点で、県のアドバイザーの助言から、「各地で観測されている放射線レベルでは健康には問題がない」のに、国と自治体の方針が一致せずに混乱が広がったという見方に変わる。
 その上で、以下の理由を挙げ、この配布の批判的な見方を示している。
 ① 必要がない人まで服用してしまう可能性があること。
 ② 事前に備蓄を消費してしまうと。
 ③ いざという時に必要量が確保できない恐れがあること。
 
 この「各地で観測されている放射線レベルでは健康には問題がない」という理由が怪しくなるのが、8月末だろうか。
 朝日新聞は、「原発周辺住民は『ヨウ素剤飲むべきだった』識者が指摘(2011/8/27)」との見出しで、27日の埼玉県で開かれた放射線事故医療研究会での以下の指摘を報じている。
 「当時の周辺住民は、外部被曝の検査結果などを振り返ると、安定ヨウ素剤を最低1回は飲むべきだった」

 正確な情報がないのだから、報道も含め判断の変化を批判すべきではないと思う。
 しかし、読み手としては、批判された判断について微妙にその評価をずらされていくと、その時点で評価された事はそのままイメージとして残ってしまう。
 このイメージの残像を取り除くために、「今から思えば」ということで、批判された判断について整理しておく。
by shingen1948 | 2012-03-21 05:20 | ☆ 地域・自治話題 | Comments(0)