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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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福島県が廃炉への考え方を示した④~絆との対峙

 「原発さえなかったら」との思いをいだく者からみると、なかなか脱原発や廃炉への踏み込まないことへの苛立ちがあった。その一方で、現時点では最大の被害者となっていらっしゃる方々への配慮する気持ちを大切にすると言いだせないところもある。同じ県民という連帯感があるからでだ。

 脱原発や廃炉への踏み込みが遅れた事情の一つが、この絆の意識ではなかったかと想像する。
 先に挙げた「「脱原発」方針に盛り込まず 連合福島が定期大会」の例も、これとかかわるような気がする。連合福島が亀裂を避けたかった仲間は、東京電力の仲間との絆ではないかと想像する。

 原発事故当初には報道に登場していた首長会とやらも、最近はその影が薄い。報道で見聞きした範囲でしかないが、首長会が自らの方針を示したものを見ていないように思う。県が廃炉を前提に復興計画を策定する方針を固めるのを、沈黙のまま見つめていたことになる。
 首長会のトップの方の自らの責任区内の住民は、原発事故の被害者感覚は強いはずである。その構成員の多数も、同様の立場のはずだと思う。立場としては、被害者を代表する方々が多数を占めるはずなのだから、踏み込んだ方針が出せる立場だったように、勝手に思う。見方によっては、責任区内の住民の代表の立場を放棄しているようにみえる。それでも、絆の観点からすれば、首長仲間への配慮だったのではないかと想像すれば、これも理解できる。

 先の報道の中、「原発が立地する双葉郡選出の議員は複雑な表情。本会議を退席した民主党のS議員は「地元の雇用や、事故収束に向けて頑張っている作業員の士気低下が心配だ」と語ったとある方が、東京電力とかかわる方なのではないかと想像する。この方が、厳しい選挙戦の中勝ち抜かれたのも、この絆だったように思う。

 ここに、利権もからむだろうし、都会人を中心とした自らはリスクを背負わずに、その恩恵を受け続けたいというエゴもからむ。福島県議会の廃炉を求める請願採択の経緯には、ここに県議選を控えた自らの生き残りの視点が絡む。

 委員会審査で不採択となり、本会議では5議員退席の上、全会一致で採択される異例の展開となるが、その委員会審査で不採択の部分の報道で詳しいのが、朝日新聞の「福島県議会、廃炉求める請願採択 福島第一・第二の全炉」の記事だろうか。
 それによると、自民などは、「県内には様々な意見があり、さらに議論を続ける必要がある」としてこの請願を継続審議にしたのだ。企画環境委員会で、請願採択を不採択にしたのも、自民党・公明党の反対のためであった。しかし、本会議では自民党なども請願採択に賛成し、退席した5名の議員以外は全議員が賛成したというのである。
 
福島県議会、廃炉求める請願採択 福島第一・第二の全炉【朝日新聞(2011/10/21)】
 福島県議会は20日、定例の本会議で、東京電力福島第一、第二原発の原子炉計10基すべての廃炉を求める請願を採択した。議会多数派の自民のほか、民主と社民からなる会派は脱原発の立場を打ち出していたが、約1カ月後に迫った県議選を前に廃炉の立場を明確にすべきだと判断した。これを受け、佐藤雄平知事は廃炉への判断を迫られる。
 請願は、共産党系の団体「新日本婦人の会福島県本部」が6月に提出。当初は「県内には様々な意見があり、さらに議論を続ける必要がある」などとして、自民などは継続審査とする方針だった。
 19日の企画環境委員会の採決では、民主、社民、共産の議員が採択に賛成。不採択とした自民、公明の議員と同数になり、委員長判断で不採択を決めた。
 しかし自民会派の20日の会合で、県民感情を背景に「廃炉方針を示すのは今しかない」といった意見が相次ぎ、賛成を決定。本会議では採決前に退席した5人を除く全議員が賛成した。
 請願採択後、佐藤知事は「私は第一、第二原発の再稼働はあり得ないと言ってきた。今日の議決を重く、真剣に受け止めたい」と述べたが、廃炉については明言を避けた。一方で、今後の県の原子力政策作りに、議決が一定の重みを持つとの考えを示した。

 勝手に、福島県が廃炉への考え方を示すことができる大きな要因が、この請願採択だったと思っている。
 なお、日本商工会議所の岡村正会頭が、福島市まで来て、脱原発に慎重な姿勢を示すのは、「都会人を中心とした自らはリスクを背負わずに、その恩恵を受け続けたいというエゴ」の代表格と位置付ける。
by shingen1948 | 2011-12-07 05:25 | ☆ 地域・自治話題 | Comments(0)