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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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再び上岡遺跡⑩~昭和27年発掘調査をどう伝えたか

 昭和27年発掘調査をどう伝えたかを「福島民友」で確認したのは、同記者が訪ねてきたことが、報告書の経過中にあったからだ。
 記事の写真に多くの学生が写っている。報告書の経過記述を確認すると、この日「多くの信夫高等学校生徒多数遺跡を見学」とある。写っているのは、この信夫高等学校生徒なのだろうと思う。

 資料の文字が不鮮明なので、濃淡を調整して数枚印刷して、記事の判読を試みる。
 「二千年の子育て土偶<東湯野で>」 
 <縄文式時代の逸品>
 伊達郡東湯野村で桃畑の暗渠排水作業中、土中から約ニ千年前の先住民族の居住跡が発掘され、全国でも珍しい子育て土偶を発見、今後の考古学の新たな研究材料として各方面から注目されるに至った。
 <桃畑中に続々発掘>
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 発掘の発端は同村宮西一農小原伊七さん(53)方で、同村の上岡部落にある5畝13反歩の桃畑が水はけが悪いので、去る13日から同農長男元七さん(26)同三男恒七さん(24)の二人で暗渠排水工事を行っていたところ同日午後3時ごろ排水用の第2トレンチを開さく中、村道から1.7米入った地下2尺の炉石8個縄文土器破片5個石屑4個を発見。
 さらに同所より7米進んだ同トレンチ内に卵形1個、平石2個土器破片110数個、また6.6米進んだ3号竪穴から炉石17個、同土器片24個などを発掘した。
 驚いた元七さんたちは父親伊七さんに連絡、伊七さんから同村中学校教諭鈴木善兵衛、同村の民間考古学者農坪池忠夫(38)の両氏に頼んできて発掘を続けたところ同書から6米下った第3のトレンチからは第5、第6の竪穴が続々と発見されここか磨製石器3個、炉石8個、土器片160個、大型カメツボ2個、磨製石斧など多数、さらに5米下った第4トレンチの第7竪穴にはほとんど原形ののままの直径38センチの炉石7個と使用不明の直径約50センチの竪穴、第8の竪穴からからはアグラをかいた婦人が子供に乳をやっている信仰に使用されたとみられる全国的にも雌性成人土偶、幼児土偶の破片などほとんど原形に近いかたちで発掘された。
 急報により17日午後3時県社会教育課梅沢主事と信夫高校秋山教諭の両氏が現場に出張、出所現場一帯の綿密な調査を行った結果、発掘された土器は石器時代最後の約2千年前の縄文土器晩期大洞式土器で子育て土偶は今まで出土した記録がないだけに貴重な考古学資料として文化資財に指定されるだろうという逸品で付近一帯は先住民族が住んでいたことが証明された。現場は東湯野中学校から北に約1キロ離れた地点で伊達町に通じる県道と桑折町に行く県道を結ぶ村道を県道桑折線から約150米北に入った南向きの陽当たりのいい丘陵地である。この地点は東西に断層線が走っているため付近一帯は湧水が群帯をなしており原住民族の棲息地として最適の条件をそなえている。
 付近からは、かつて弥生式文化土器が出土しているが、それより年代をへた縄文式文化土器が出土したのは初めてだといわれている。梅宮氏ら調査隊一行は地主の小原さんの許可を得て発掘された炉石を中心に柱を建てた竪穴の状態などを調査、先住民族の遺蹟にメスを入れることとなったので、同調査隊の成果は各方面から期待されている。


 写真には、多くの見学者の前で「発掘する梅宮主事」と、⇒の先に写るのは、「子育て土偶」との解説が付く。
Commented by としぼー at 2011-07-29 02:57 x
上岡遺跡の記事には感動しております。以前、福島歴史資料館で東湯野概史という冊子をながめたことがあり、その際にこのことに触れる可能性があったはずですが、戊辰の頃の記述を拾い読みしてしまいました。久々に秋山先生や小原元七さんと出会った気分です。もっともお二人にとって私は記憶に残る者ではありません。一方的になつかしがっております。
Commented by shingen1948 at 2011-07-31 06:30
ここを散歩するたび、懐かしさを感じる風景なのですが、そのよさは何だろうと思っていました。それが分かりかけてきたように感じています。
それは、自分の足元を確かめる文化があって、そのことがこの上岡遺跡の発掘につながっているということと重なっているのではないかと感じています。
こういう感覚で日常生活が送れていた時代は、心という視点では豊かな時代だったのではないかという思いです。
by shingen1948 | 2011-07-28 05:07 | ◎ 埋蔵文化(古墳・それ以前) | Comments(2)